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2026年08月19日

イラン戦争停戦合意覚書断絶

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長期化するイラン戦争。6月に締結されたイラン戦争停戦合意覚書は断絶の状態に陥っています。アメリカとイラン双方の報復攻撃が拡大。戦闘停止の兆候が見えず、湾岸諸国地域にも紛争が飛び火しています。
アメリカ軍が強行した13日間に及んだイランへの連続爆撃ではイランイスラム革命防衛隊の軍事拠点を破壊。トランプ大統領は今後イラン側が停戦協議要件を履行しない場合、首都テヘランへの大規模攻撃に踏み切ると警告しました。対するイランイスラム革命防衛隊は中東ヨルダンにある駐留米軍関連施設を報復爆撃。複数のアメリカ軍戦闘機の被弾が確認されています。さらにエジプト北部の港湾施設に停泊中のアメリカ関連船舶が飛翔体の攻撃を受け炎上。イラン戦争を巡りイラン連帯を掲げる複数の武装組織が中東湾岸諸国駐留の米軍関連施設への攻撃に踏み切りました。イラン戦争下ではエジプトへの攻撃はこれまで確認されておらず報復の連鎖は必至の状況となっています。イラン隣国イラクでは民兵組織人民動員隊(PMF)がアメリカ軍とサウジアラビ軍の爆撃を受け犠牲者が20名以上に及んだことを発表。PMFとはイランの軍事支援を受ける民兵組織であり、かつてイラクに展開した過激派組織イスラム国(IS)掃討作戦に従事してきた組織であります。

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停戦合意覚書の主軸であるホルムズ海峡開放要件の進展にも注視が必要です。イランと海峡対岸のオマーンがホルムズ海峡運用協議を開始しました。両国は共同管理の航行回廊設置を掲げるもイランがホルムズ海峡通過のためペルシャ湾とオマーン湾から出入りする船舶に対しては通航料徴収を含め主導管理下に置くことを主張。さらに海峡通過船舶へのアメリカ含め第三国の介入は認めないこと、ホルムズ海峡の安全保障は常にイランが危機管理体制を維持する権利を保ち、アメリカとイスラエル船舶の海峡航行禁止措置、同時にイラン戦争での損害賠償をアメリカに求め敵対行為に加担した国々による損害補償金の支払い義務、拒否した場合各国の船舶積荷価格の約20%を強制徴収すると警告しました。

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こうした強硬姿勢を貫くイランを牽引する最高指導者モジタバ・ハメネイ師の存在も停戦交渉を複雑化させています。というのもモジタバ師はアメリカ軍の爆撃で重傷を負い未だ生存確認が取れておらず国内統治に関わっている確証が取れていません。モジタバ師の親衛隊イランイスラム革命防衛隊が指揮系統を握り徹底抗戦を独断で加速させている可能性が指摘されています。イスラム革命防衛隊はアメリカが首都テヘランへの大規模再攻撃に踏みきった場合、アメリカに連帯するイスラエルへの報復攻撃で切り返すと警告しました。イラン政府はホルムズ海峡封鎖戦略があるかぎり交渉要件を政治軍事両面でイラン優位に進めることができると確信しています。イランにとって最後の切り札と言えるホルムズ海峡の動向がイラン戦争終結の要になることは間違いありません。

渡部陽一

渡部陽一

渡部陽一わたなべよういち

戦場カメラマン

1972年9月1日、静岡県富士市生まれ。静岡県立富士高等学校 明治学院大学法学部卒業。戦争の悲劇とそこで生活する民の生きた声を体験し、世界の人々に伝えるジャーナリスト。 世界情勢の流れのその瞬間に現場…

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