ご相談

講演依頼.com 新聞

コラム 人権・福祉

2026年09月14日

渡部陽一のコラム「イラン戦争報復攻撃拡大」

渡部陽一

渡部陽一

戦場カメラマン

今年2月28日に勃発したイラン戦争は6カ月を過ぎた現在も停戦の動きは見えません。アメリカイラン双方が軍事拠点への爆撃を繰り返し、経済制裁、ホルムズ海峡封鎖と報復の連鎖が加速しています。停戦を仲介するパキスタンは休戦協議継続を表明しました。

イラン戦争開戦から半年が過ぎるとイランのガリバフ国会議長がイラン戦争における軍事外交両面でのイランの勝利を主張し始めました。アメリカとイスラエルは戦闘目標に達することができず、長期化するイランとの交渉でも譲歩を余儀なくされていると指摘。イラン優位の停戦交渉のシナリオをアピールしています。さらにイラン政府は中東諸国で頻発した人質外交を模倣しアメリカ軍兵士の拘束に懸賞金を懸け、イラン領内でのアメリカ関係者の情報提供にも報奨金を施すと発表しました。

戦時体制にあるイランでは国民生活への注視が必要です。国内の状況は長期にわたる経済制裁により国民のライフラインは壊滅状態となっており、昨年12月には生活苦による反政府デモが全土に拡大しました。イランイスラム革命防衛隊の目が光る中で大規模デモが勃発することはこれまでのイランイスラム体制下ではあり得ない状況であります。経済封鎖が国民生活を破壊していることが確証されたといえます。イラン経済制裁の変遷を見るとアメリカオバマ大統領時代の2015年に結ばれたイラン核合意によりイランへの一部経済制裁が解除された時期がありました。しかし2018年にトランプ大統領が核合意から一方的に離脱、さらにイランへの経済制裁包囲網を強靭化させていきました。この流れはイラン戦争にまで連動していきます。トランプ大統領が繰り返し通告しているイランへの壊滅的経済制裁を紐解くと根幹部分でイラン最大の取引先である中国に経済圧力を突きつけるメッセージとなっています。イランのインフレ率(物価上昇率)が1年前の同時期に比べると約90%に達している中で、トランプ大統領はいかなる形であれイランに関わる世界各国の経済関係を遮断させイラン戦争をアメリカ主導で締結させると通告しました。イラン経済制裁の具体的な動きとしてはエジプト銀行大手ミスルのアラブ首長国連邦支店がイランとのドル決済関与を理由に金融取引を停止させられました。トルコのゴールデン・グローバル投資銀行に対してもイランとの関係を突きつけ制裁措置に踏み切りました。イラン側はいかなる軍事攻撃と経済封鎖を持ってしてもイスラム国家体制が揺らぐことはないと宣言しています。イランが主張する世界エネルギー供給の大動脈ホルムズ海峡の封鎖という戦術を持つ限り経済大国アメリカが交渉に折れざるを得ないと確信しています。イラン戦争は現代のエネルギー戦争の象徴であると誰しもが確信することとなっています。

渡部陽一

渡部陽一

渡部陽一わたなべよういち

戦場カメラマン

1972年9月1日、静岡県富士市生まれ。静岡県立富士高等学校 明治学院大学法学部卒業。戦争の悲劇とそこで生活する民の生きた声を体験し、世界の人々に伝えるジャーナリスト。 世界情勢の流れのその瞬間に現場…

  • facebook

講演・セミナーの
ご相談は無料です。

業界25年、実績3万6700件の中で蓄積してきた
講演会のノウハウを丁寧にご案内いたします。
趣旨・目的、聴講対象者、希望講師や
講師のイメージなど、
お決まりの範囲で構いませんので、
お気軽にご連絡ください。