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2026年06月11日

イラン戦争・ホルムズ海峡管理体制

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イラン戦争により世界エネルギー供給の大動脈ホルムズ海峡が封鎖されました。イランとアメリカ双方が海峡の主導管理を主張し停戦協議が難航しています。このホルムズ海峡とは海峡最狭部の幅が約31km、深さは最深で100m、日本海上輸送原油の約90%がこの海峡を通過しています。平時においてはホルムズ海峡を1日に約1300隻の船舶が往来していましたがイラン戦争開戦後は最大でも6隻しか確認されていません。そしてこのホルムズ海峡は世界海上輸送原油全体の2割が依存する国際海峡地域に指定されており、海峡南部にあるムサンダム半島を有するオマーンが海峡南部地域の航行監視に従事してきました。海峡北部地域がイランの管理統制下に置かれておりイランイスラム革命防衛隊はイラン戦争開戦以降ホルムズ海峡を巡るイラン監視領域を500km拡大させると発表しています。領域として西側はイランのゲシュム島からホルムズ海峡を挟み東はオマーン湾のイラン港湾都市ジャスクまでの海域。アメリカのトランプ大統領はこの一方的な海峡管理体制に猛反発。オマーン湾にアメリカ海軍を展開させ監視体制を強化しています。

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イラン戦争停戦協議の進展は先行きが見えません。特に停戦要件の主軸である核開発への認識が双方で乖離した状況となっています。イランは核濃縮ウランを使ったエネルギー供給の平和利用を主張するもトランプ大統領は濃縮ウランの海外搬出と廃棄処分を要求。イランは核濃縮60%まで純度を高めたウランを保有しており核兵器となり得る濃縮純度90%への開発の疑念は拭いきれません。イラン核開発はこれまでもイラン外交の壁となり続けてきましたが2015年7月にオバマ大統領がイラン核合意を締結したことでイラン経済制裁を段階的に解除する道筋が見えました。しかし2018年5月にイランを敵視してきたトランプ大統領がイラン核合意から一方的に離脱。2026年2月28日には戦争を嫌悪してきたトランプ大統領自身がイラン戦争に突入していきます。対するイランはこれまでの停戦協議の中でいかなる条件であれホルムズ海峡のイラン主導管理、中東一帯でのイスラエル軍が絡む戦闘の停止、そして核濃縮ウランのイラン保有管理は国家安全保障の絶対的権利でありいかなる軍事圧力にも屈しないと宣告しています。

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一時期イラン戦争停戦合意が最終調整に入ったことをトランプ大統領とイラン政府双方が発表しました。複数の合意要件の隔たりを指摘するも戦闘停止に向けた段階的進展を示唆した背景にはトランプ大統領にパイプを持つ停戦仲介国パキスタンのムニール元帥の存在、さらに中国の習近平国家主席との直接会談が戦闘状況緩和に動いたと期待が高まりました。しかしイラン壊滅を掲げるアメリカの同盟国イスラエルがイラン保有の高濃縮ウランの国外搬出と廃棄を強硬に主張し状況次第ではイランへの再攻撃に踏み切ると警告したことで停戦交渉は膠着状態に落とし込まれました。核濃縮とホルムズ海峡というまさに現代社会が依存してきたエネルギー戦争の輪郭を炙り出したのがこのイラン戦争であります。世界各国が戦闘停止も求めるも誰も止めることができない現実が突きつけられています。

渡部陽一

渡部陽一

渡部陽一わたなべよういち

戦場カメラマン

1972年9月1日、静岡県富士市生まれ。静岡県立富士高等学校 明治学院大学法学部卒業。戦争の悲劇とそこで生活する民の生きた声を体験し、世界の人々に伝えるジャーナリスト。 世界情勢の流れのその瞬間に現場…

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