2017年06月15日

教え方の枠組み

あなたは「教え方」について習ったことはありますか。おそらくほとんどの人は習ったことなどなく、自分が教わったやり方で、模索しながら人に教えているはずです。体系的にきちんと丁寧に指導された経験のある人はよいですが、いまの50代前後の昭和世代は「目で見て盗め」と言われたり、それこそ体系的なものなどなく、OJTと聞こえはいいものの、実際はただの思いつきで教わっただけ、という人が少なくありません。なので、そういった上司がいざ部下を教えようとすると、とんでもないことになるのです。
教えるという行為は、次の5つのステップに分かれます(ここでイメージしている作業とは、たとえば電話対応の仕方、営業でお客様との商談、事務作業では請求書の発行の仕方のようなものです)。

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1.事前準備:
ここは相手に何を教えるかについて体系化するステップです。このステップで、教えるべき一連の作業を分析してフロー化し、無駄があればこの時点で削り落としてより効率的なものにします。
2.説明:
これから伝授しようとする作業の目的や必要性、あとの作業への影響など、そのタスクの意味や気をつけるべき注意点などを伝えます。このステップは、いまの若い人には特に重要です。ここがしっかり理解されないと、やる意思をみせてくれないことが多いようです。
3.デモンストレーション:
説明したプロセスのお手本を実際にあなたがやってみせます。これにより、何をす
ればよいかが明確に相手に伝わります。
4.本人実施:
ここでは実際に相手に体を動かしてもらいましょう。最初はうまくできなくても構いませんから、手取り足取り、やさしく教えてください。大事なことはまずは一連のプロセスを最後まで体験させることです。微細な点にこだわらず、大枠をとらえてもらうことが大切です。
5.フィードバック:ここでは、できていることでいないことを切り分けます。そしてで
きていないところを、どうすればできるようになるかの方法を考えます。

 1から5までのステップを経て、一人でできるようになったあとも、定期的にフォローが必要です。慣れてくると手を抜き始めたりするので、1週間後、1か月後、3か月後のようにレビューポイントを設定し、伝えたことができているか確認しましょう。

 これまで、教えるという作業は、上司個人の能力にだいぶ委ねられてきたため、人によってばらつきがありました。しかし、理想的には、教え方のフォーマットをしっかりとつくり、だれでもうまく作業を部下に引き継いでいけるようにすることが大切です。次に教える機会があるときには、ぜひ上の5つのステップを参考にしてみてください。
 次回は「教え方のジレンマ」についてです。どうぞお楽しみに。