2015年12月15日

「制度」のマネジメント~2.個人評価+チーム評価

 さて「制度」のマネジメントの二回目ですが、今回は評価の基準についてです。一昔前に成果主義が叫ばれました。これはいわば、お金というニンジンを前にぶら下げて人を走らせるものでしたが、その弊害もまた多く、自分のことしか考えない社員を多く生み出しました。これはつまり、チームとして組織がまったく機能しなくなる、ということです。理想を言えば、性善説で「お互い助け合い自分以外の仲間の成果も追って」としたいのですが、みな背に腹は代えられず、絵に描いた餅に終わるばかりです。

 こうしたなか、最近定着しつつあるのが、「個人評価+チーム評価」という制度です。これは、個人の実績に加え、チーム全体としての数値目標や現場で強化したい行動を評価基準に加える、ということです。

 たとえば、営業職であれば、自分の売上目標の達成率と、チーム目標の達成率を変数に加えて評価を決める制度にします。こうして、自分だけ目標をクリアしても、チーム全体の数字が伸びなければ報酬アップにつながらないという仕組みを作るのです。もちろん、このさじ加減の調整はとても難しいものですが、それによりチーム全体のことに目が行くようにもなるはずです。

 ここまできたら、次はその運用です。こうした制度(ハード)を整えただけでは不十分で、運用(ソフト)でのひと手間が必要になります。つまり、チーム全体で、ほかの人たちの進捗状況を共有し、対策を練る時間をしっかりとつくることです。

 たとえば、月の中ほどのミーティングで、チーム内のAさんとBさんは目標をクリアし、Cさんのみ達成率が60%だったとしましょう。ここで、どうすれば残りの40%を埋められるか、全員で知恵を絞り、必要な情報を提供しアクションを起こすのです。もしかするとAさんのクライアントリストの子会社に、Cさんの受注につながりそうなニーズがあるかもしれません。またBさんの過去の取引先リストのなかに、もしかするとCさんが提案の余地がある会社があるかもしれません。

 個人評価ばかりが強くなると、同じチーム内でさえ、自分のクライアントの情報を出したがろうとはしなくなります。それを公表すると、自分の取り分が減ったり、来月あてにしていた分を食われてしまう、という不安が先に立つからです。こうした弊害をなくすには、「情報を共有してそれが成約した場合は、その報酬の何%を得られる」のような仕組みをつくるのもいいでしょう。そしてその提供者には「ナイスフォロー」マークなるものを作り、それを壁に貼って、誰もが彼の功績をわかるようにしてあげるのです。こうすることで「お互いを助け合う」行動が強化され、組織の文化として根付いていくのです。
 個人評価とチーム評価・個人評価だけでは、自分のことしか考えない集団になる・個人評価とチーム評価のふたつの軸で報酬が決まる制度をつくる・運用面の工夫(情報の共有など)がないと機能しない

 次回は「制度」のマネジメント~3.表彰制度についてです。どうぞお楽しみに。