2015年11月13日

「制度」のマネジメント~1.パフォーマンスを管理する

 今回から「制度」のマネジメントに入っていきます。まずは部下のパフォーマンスの管理についてです。

 さて、皆さんが部下をまとめる立場なら、部下たちに「こうしてほしい」という希望があるはずです。どうすれば意図通り、部下たちがパフォーマンスを発揮してくれるのでしょうか。

 まず『3.「職場の空気」のマネジメント~2.ビジョン、行動規範を掲げる』でつくった行動基準を思い出してください。最初に必要なのは「わかりやすい行動指針」をつくることです。たとえばクレドで有名なジョンソン・エンド・ジョンソンの行動指針は4つの利害関係者(顧客、社員、地域社会、株主)に対する責任を定めていますが、そのなかで、対顧客向けの行動規約は「高い水準の維持」「価格引き下げの努力」「迅速で正確な対応」「取引先への利益機会の提供」の4つです。これを指針として、日々のミーティングなどで「自分はこれに合う行動をしたか」と振り返りをしています。大切なのは、これらの指針を押しつけるのではなく、これをもとに「自分は何をすべきか」という具体的行動を本人に考えさせることです。このプロセスが彼らの自主性を高め、ひいてはモチベーションアップにつながっていくのです。

 二つ目は、頻繁にチェックする機会をつくることです。せっかく立派な行動指針が掲げてあっても、それについて考える時間が半年や1年に一度しかなくては、まったく意味を成しません。できれば毎日、少なくとも週に1回は、この行動指針に沿って考える時間を設けるようにしましょう。たとえば、リッツカールトンホテルでは毎日の朝礼(ラインナップと呼ばれる)で、全社の共通理念についてのテーマが与えられ、それについて現場のスタッフが和気あいあいと話す機会があります。また、それら指針に沿った行動をとったスタッフには周囲から賛辞の言葉が送られます。こうした称賛も、本人のパフォーマンスアップにつながります。朝礼は上からの訓示の時間だと思い込んでいる年配の方は、ぜひこんな時間の使い方も参考にしてみてください。

 そして3つ目は、強化したい行動の経過を「見える化」することです。お客様から頂いた感謝のメッセージを食堂に貼る、感動的だったエピソードを社内ネットで共有する、また契約がとれた件数を、壁に貼った模造紙に棒グラフで示す、など、やったことが目に見え、周囲にも伝わることで、「この組織ではどんな行動が求められているのか」が明確になります。個人の成績だけを評価しようとすると、利己的になりチームワークが発揮されにくいので、そういう場合には、お互いを助けたり、チームに貢献するような行動をとったときに評価される(給与にも少し反映するような)しくみを作ればなおよいでしょう。

個のパフォーマンスを上げるには1わかりやすい行動指針があること2できれば毎日、それを確認する場をつくること3強化したい行動を「見える化」すること

 次回は、「制度」のマネジメントの2回目、「個人評価+チーム評価」についてです。どうぞお楽しみに。