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2017年11月20日

トランプ大統領来日・世界の指導者たちを見る

2017年11月5日、トランプ大統領が来日しました。安倍首相と共に日米の軍事・経済など多方面な連帯を再確認する時間を過ごしました。世界情勢がうねっている中、日本だけでなく世界各国が同盟関係や連携を強化していくことで国益を守る姿勢を前面に出してきています。世界を見渡し多様な舵取りを進める指導者やリーダーの存在を知っておくことは世界に関わっていく中で大切な危機管理と言えるのかもしれません。

日本から近いフィリピンでは南部ミンダナオ島でのイスラム過激派組織との戦闘を続けたドゥテルテ大統領の存在力が増しています。その手法は暴力的だと世界からは批判があがるも、フィリピン国民からは絶大な支持を得ています。東南アジアのミャンマーでは、ノーベル平和賞を受賞したアウン・サン・スーチー国家顧問の手腕に期待がかかっています。ミャンマー西部ラカイン州での少数民族ロヒンギャ族難民問題が人権侵害を引き起こしていると国連からも警告があがり、スーチー氏への非難と期待が絡み合う状態となっています。イランではロウハニ大統領が2期目に突入し、経済制裁解除へ繋げた外交姿勢がイラン国民に支持される結果を引き出しました。イランではイスラム宗教指導者が大統領よりも上の立場にあるという特殊な政治構造にありながらも、生活レベルを改善した手腕を評価した声が多数を占めました。

イランの隣国トルコではエルドアン大統領の権力基盤が整い、パンドラの箱とも言われた大統領制を導入。法規を超えた敵対勢力の逮捕、拘束を続けており、事実上の独裁体制が敷かれていると各国からの非難の声が高まっています。トルコと国境を面するシリアでは2011年3月に始まったシリア内戦が泥沼化し、現在も政府軍、反政府軍、テロ組織、外国部隊の参入など混乱が続いています。アサド大統領が長期の内戦を生き延び、独裁政権を維持していく限り、今後のシリアでは血で血を拭う報復の連鎖の広がりが懸念されています。シリアに面するヨルダンという国ではアブドラ国王が人道支援の舵取りを強めています。ヨルダンは周辺のイラクやシリア、さらにはパレスチナ側からも難民を受け入れ、さらに中東各国の衝突の調整役となれるニュートラルな国政を進めており、世界の注目が集まっています。国民からの尊敬の念も強く、まさに混乱する中東の中での優等生と言える存在なのかもしれません。

アジアから中東の国を触れただけでも良くも悪くも多彩な指導者の顔ぶれに触れることができます。相手のことを知ることが日本の危機管理のはじめの一歩であると感じています。

渡部陽一

渡部陽一

渡部陽一わたなべよういち

戦場カメラマン

1972年9月1日、静岡県富士市生まれ。静岡県立富士高等学校 明治学院大学法学部卒業。戦争の悲劇とそこで生活する民の生きた声を体験し、世界の人々に伝えるジャーナリスト。 世界情勢の流れのその瞬間に現場…

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