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2015年02月20日

イスラム国という存在

 中東情勢が大きく動いています。イスラム過激派組織イスラム国(ISLAMIC STATE)による外国人殺害事件や少数民族の虐殺、奴隷制度復活など過激な思想に傾倒した武装組織が、世界規模でその存在力を発信しています。

 2001年9月11日のニューヨーク・ワールドトレードセンター爆破事件からアメリカ軍によるアフガニスタン侵攻、そこから始まったイスラム原理主義思想を持つオサマ・ビン・ラディンを主犯とする国際テロ組織との戦い、さらに2003年、大量破壊兵器保持疑惑で勃発したイラク戦争ではサダムフセイン元大統領を殺害。その後のイラク国内は宗派対立や民族衝突が激化。混乱から発生したのがイスラム国の原型であるイラクの過激派組織「イラク聖戦アルカイダ組織」であり、この組織の薫陶を受けているのが、イスラム国のトップに君臨するバグダディーという系譜が確認されています。

 

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 イスラム国は、イスラム教の教えを徹底的に遵守していく考え方を前面に出していますが、周辺のイスラム教を柱とする国々はその存在を認めていません。本来のイスラム教の教えに反する暴力的な行動や思想は、イスラム教義に反していると声をあげています。そして多数のジャーナリストがイスラム国によって命を奪われています。中東地域限らず世界中で取材を続けるカメラマンやジャーナリストの方々は、現地で動く場合、その国で生まれ育ったガイド、地域のアクセントを使いこなせる通訳、そして事件が起きたときに身を守ってくれるセキュリティーの方々とチームを編成して取材を進めていくことが危機管理体制としての入り口になっています。ただ自称イスラム国という存在は、現実として国家という形をとっておらず、イスラム国領内では、シリア人やイラク人、外国人兵士だけでなく残された市民もお互い、誰が味方で誰が敵なのかわからない状況に立たされています。誰しもが疑心暗鬼に陥っていて、少しでも自らの身を守る為に様々な情報や足取りをお金でやり取りしていることが現実となっています。

 

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 いま、世界中の国々がイスラム国への圧力連携をとる方針が形になってきています。今後イスラム国は、資金面の不足だけでなく、地域ごとの権力基盤が分裂し、地域ごとに分裂を起こしていく可能性が語られています。歴史は繰りかえすという言葉は21世紀のいまも、その流れはつながっていることを実感させる現実がここにはあります。

 

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渡部陽一

渡部陽一

渡部陽一わたなべよういち

戦場カメラマン

1972年9月1日、静岡県富士市生まれ。静岡県立富士高等学校 明治学院大学法学部卒業。戦争の悲劇とそこで生活する民の生きた声を体験し、世界の人々に伝えるジャーナリスト。 世界情勢の流れのその瞬間に現場…

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