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2020年04月15日

ものの見方で問題解決!その1~輸送サービス編~

さて、今回から始まった新しいテーマ『ものの見方で問題解決!業界シリーズ』。

このコラムでは、これまで私が実際に依頼を受け研修を実施してきた中から、毎回一つの業界を選び、そこで「どんなテーマだったか、課題は何だったのか、ものの見方でどう解決したのか、そしてその業界の今後の展望は?」などといった切り口で、それぞれの業界が持つ課題や展望を予測するといった構成です。どうぞよろしくお願い致します。なお、文中に出てくる観点メガネ(価値、逆転、環境、立場、タイム)については、2019年度のコラム「ものの見方」のなかで触れてありますので、ご参照いただければ幸いです。

第一回目の業界は、輸送サービスです。こちらの会社は鉄道だけでなくバス・タクシーや物販、それに付随するサービス業などを手掛けています。

研修のテーマ:「モチベーションが10倍上がる視点の見つけ方」

依頼の背景・課題

この会社では、お客様からの声を元に現状を分析したところ、今後の課題として輸送サービスの品質向上というキーワードが上がりました。

これまでホスピタリタィや接客など、様々な切り口で意識改革を試みてきましたが、今回は「ものの見方」を変えるという観点から、現場の人たちの意識を変えられないか、というリクエストでした。

ものの見方で斬る

輸送サービスの質を高める、という目的のもと、まず考えたのは、観点メガネを使った彼らのサービスに対する考え方の視点を変えることでした。

たとえば価値メガネは、いままでなかったところに新しい価値を付加する、という視点ですが、これを使って、たとえば駅という機能に、ワークスペースや行政サービス、保育園というものを併設し、これまでの「鉄道に乗るため」の施設から、生活拠点、という機能を持たせることを提案しました。

またこの会社ではコンビニも持っているのですが、ここには環境メガネを適用し、オフィスコンビニという形で、無人店舗型のボックスを用意し、それを各駅の事務所などに置くことで販売機会を増やすことなどもできるのではないか、といったお話もしました。

今後の展望

今後、この輸送サービス業界ではますますIT化、AI化が進み、人がいらなくなってきます。そうなってくると、余った人員を人にしかできないサービスを行ったり、企画したりするほうに振り向ける必要があります。

こちらの会社では、基本的な接客レベルの質は高く、また事故時の復旧作業も迅速です。次に求められるものは、おそらく「利用者の気持ちに寄り添うサービス」ではないかと思います。

たとえば、A駅からB駅に行くときに、路線も電車もたくさんある場合、「どの電車なら一番早く着くのだろうか」を知りたいのに、それを掲示してくれている案内板がなかったり、また事故で電車が止まっているとき、「いったいいつになったら動くのか」と不安に思っても、復旧までのメドをわかりやすく知らせてくれるシステムもまだありません。テクノロジーを使えば、きっと実現可能だと思いますので、今後の対応に期待したいと思います。

またひとつ気づいたことは、輸送サービスの質の向上を目指しているにもかかわらず、一番現場で頑張っている鉄道の保線管理の人たちにあまりスポットライトが当たっていないことです。

人身事故や架線トラブルなどでいつもより早く復旧しても、それを認められることはなく、復旧して当たり前。これではやる気もそがれてしまいます。もっとこの人たちの努力が認められ、仕事に誇りを持てるような称賛、承認の仕組みがあればなおいいなと思いました。

さて次回は、金融業界がテーマですが、若手社員向けに研修をしたときのことを振り返りながらお話します。どうぞお楽しみに。

川村透

川村透

川村透かわむらとおる

川村透事務所 代表

「ものの見方を変える」という視点の転換を切り口に、モチベーションアップ、チームビルディング、リーダーシップ、コミュニケーション、問題解決など様々なテーマで講演、研修を行う。自身の体験と多くの研修・講演…

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