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2022年09月15日

予測する力

第6回「予測する力」

さて今回、取り上げたい力は「予測する力」です。要は先を読む能力のことですね。災害などに備える危機管理もまさにこの力が必要ですし、日々ビジネスでお客様と話しながら、相手の状況を想像して今後の対策を考えるのもこの力です。また親が小学校の子供に、「早く夏休みの宿題を終わらせなさい」と指示するのも、始業式間際になって慌てる姿が予測できるからであり(本人は予測できていないケースが多いですが)、生きていく上でこの予測する力はとても大切だと思っています。

予測が苦手な日本人

残念なことに、日本人はどうやらこの「先を予測する」ことが苦手なようです。リスクマネジメントという考えもようやく最近定着してきましたが、国のコロナ対策を見ていても、マスクの配布やワクチン接種の時期、患者のデータ入力についての指針決めなど、海外と比べるとその対応も後追いのようにみえます。安倍元総理の襲撃事件でも、狙撃されたときの対応を予測できておらず、多くの反省点が挙げられました。また最近特に思うのは、若者たちにこの傾向が強いこと。ニュースをみていても、一時の感情で人を傷つけてしまったりするような事件がとても目につきます。どれも昔はなかったような事件です。犯罪を起こしてしまえば刑務所行で、自分の人生の時間を無駄にし、周りの人たちにも迷惑をかけます。「これをすればどうなるか」という想像力が働けば、思いとどまれるはずなのに…。

どうしたら予測力が身につくか

では、この予測力はどうしたら身につくのでしょうか。その人の性格なのか、教育なのか、育つ環境なのか…。うちの長男もやはり先読みをすることが苦手で、雨が降るとわかっていても傘を持って行かなかったり、学校の準備もギリギリになって慌ててしたり(笑)。それを見ている次男は(まだ1年生ですが)、ちゃんと帰ってきたらすぐ明日の準備を始めますが(笑)。これはやはり、日々の生活の中で「先を読む」という練習をしたほうがいいのかな、いやすべきであると痛感しています。

予測の仕方

ビジネスにおいて予測すべきものは大きく分けて2つあります。ひとつはタスク系。ゴールのイメージが決まっているものですね。いついつまでに何かを仕上げるとか、プレゼンがあるとか、そういった類のものです。これらはまず最終イメージを思い描き、さかのぼって考えていきます。

【タスク系】

  • ゴールのイメージは何か
  • いつまでに何をすべきか
  • 起こりうるトラブルは何か
  • 必要なモノ、情報は何か

もうひとつは、リスク系のもの。お客様からのクレーム、地震や水害でお客様が被災した、注文していた部品が納品されない、といったものです。

【リスク系】

  • 起こりうるリスクは何か
  • どうしたらそれを防げるか(起きないようにできるか)
  • 起きてしまった場合、どんな手段がとれるか

それぞれ3、4項目ずつです。最低限これくらいはシュミレーションしておけば、仕事の精度も上がりますし、いざというときに慌てずにすむはずですよね。

予測力でビジネスの質を上げよう

私たち人間は、いま起きていることの対応で日々精一杯で、先のことを予測したり、トラブルが起きたときのことをシュミレーションするのは苦手な生き物のようです。でも、その力を磨くことによって、トラブルを未然に防いだり、サービスの質が向上したり、変化に柔軟に対応できたりするようになり、より実りある結果を手にすることができるはずです。ぜひ皆さん、「予測する力」の練習をしましょう。

*今回のまとめ*

「予測する力」を磨くことで、トラブルを未然に防ぎ、サービスの質を高め、変化に柔軟な対応をすることができる。

【タスク系】

  • ゴールのイメージは何か
  • いつまでに何をすべきか
  • 起こりうるトラブルは何か
  • 必要なモノ、情報は何か

【リスク系】

  • 起こりうるリスクは何か
  • どうしたらそれを防げるか(起きないようにできるか)
  • 起きてしまった場合、どんな手段がとれるか

川村透

川村透

川村透かわむらとおる

川村透事務所 代表

「ものの見方を変える」という視点の転換を切り口に、モチベーションアップ、チームビルディング、リーダーシップ、コミュニケーション、問題解決など様々なテーマで講演、研修を行う。自身の体験と多くの研修・講演…

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