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2026年05月15日

問いを立てる

第2回「問いを立てる」

さて、初回はAIを使いこなす力について書きましたが、2回目は「問いを立てる」というテーマについてです。

欲しい答えを得るには…

AIが登場してくる以前でも、通常のグーグル検索においても問いを立てるスキルは必要でした。つまり「どう検索ワードを入れたら欲しい答えが得られるか」という思考です。たとえば渋谷でランチに最適なお店を探したいとき、どういったワードを入れますか?「渋谷 ランチ デート」と入れれば情報は出てきますが、これでは膨大すぎて選ぶことができません。と、ここで自分に再度問いかけます。「待てよ、もっと答えを絞るには、自分は何を知りたいんだ?そうだ、予算は2000円、雰囲気はおしゃれで、料理はイタリアンがいいな」となれば「渋谷 おしゃれなイタリアン ランチ 2000円以内」となってくるわけです。するとよりニーズに合った答えを得ることができます。このようにうまく検索をかける秘訣は、より自分の知りたいものを分析して厳選することなのです。AIに尋ねるときもこれは同じで、何を知りたいかが明確なほどより適切な答えを得ることができます。

AIが得意な問い、不得意な問い

AIは「膨大な過去のデータの中から最適解を見つける」ような問いは得意分野です。
たとえば「東証プライム上場企業の中で、経常利益が2兆円を超える会社は?」のような問いには、瞬時で的確な答えを出してくれます。AIは「方法、手段、分析、分類」といった問いには強いようです。
いっぽうAIが不得意とされる問いは「前提を疑う」(そもそもこれって本当に問題なの?)「価値を問う」(何を優先すべき?どんな社会を望む?)「未来を創る問い」(まだ誰も気づいてない課題は?どんな未来をつくりたいか?)のようにデータの外を問う問いです。

AIと一緒に新しいアイデアを見つける

これまでにないモノやアイデアを考える際、そこはAIは使えないのでしょうか。いえ決してそんなことはなく、極めて優秀な自分のアシスタントになりえるはずです。もちろん0から1を生み出すような答えは出てこないかもしれませんが、過去にあった事実から関連するものを見つけ出してくれるので、それをもとに人間の思考を広げることができます。
例として「例:宅配ネットワークに新たな価値をつけるとしたら?」とAIに聞いてみたところ、次のような答えが返ってきました:

  1. 地域の安全インフラ
    宅配員は毎日地域を巡回している。
    → 高齢者の見守り、異常検知、防災情報の収集ができる。
  2. 生活データのハブ
    宅配は「生活の最前線」に触れている。
    → 家庭のニーズ予測、購買行動の変化、地域課題の早期発見。
  3. 地域コミュニティの接着剤
    宅配員は“最後のリアル接点”。
    → 孤立防止、地域コミュニケーションの媒介者になれる。
  4. 移動の最適化プラットフォーム
    宅配ルートは最適化の宝庫。
    → 医薬品配送、行政サービス、フードロス削減などに応用。
  5. 家庭内サービスのゲートウェイ
    宅配は家の玄関まで入れる唯一の存在。
    → 家事代行、家電設置、簡易点検、リサイクル回収などの入口に。

どうですか?とてもうまくカテゴライズしてくれていますよね。なかには「最後のリアル接点」とか「家庭内サービスのゲートウエイ」とかいうキーワードなどはすごくいいなと思いますし、これをヒントに新しい価値を考えることもできそうで、なかなか秀逸な答えだと感じました。

AIにコーチングはできるか

ビジネスコーチを雇って個人の目標達成を促進している方もいることでしょう。ではAIにその役割は務まるでしょうか。その答えは否です。コーチングとは「人の内面の変容を支えること」です。論理的に解決策がわかっていても、人によってそれが実現できない原因は違い、コーチはその人と対話していくことにより、どう問いかければこの人は動けるのかを探っていきます。人によっては過保護なほど手をかけてあげたり、あるいはただ一言「どうすればいいと思いますか?」と聞くだけだったり。またコーチは相手の固まった思考をほぐずためにあえて前提を疑ったり、枠の外の問いをしたりもします。相手に不安があったら、それを受け止め、共感しますが、それをどう扱うかはコーチの裁量に委ねられています。こうしたアプローチはAIの不得意とするところであり、やはり人の役割として残るでしょう。

問いの立て方次第で自分の優秀な右腕に

このように、AIを使いこなしていく上で「問いを立てる」のは人間であり、その問いの立て方次第で自分の欲しい答えを得られたり、思考を強化していくことができます。そればかりでなく、AIという下駄をはけばあなたのアウトプットの質が飛躍的に向上する可能性が見えています。いまの時代「いや俺はAIなど使いたくない。自分ですべて考える」と意固地になるのは道理に合っていないように思います。それは洗濯機があるのにいつまでも洗濯板で洗っているようなものではないでしょうか。皆さんもAIの得手不得手を心得たうえで、ぜひ問いを立ててみてください。

川村透

川村透

川村透かわむらとおる

川村透事務所 代表

「ものの見方を変える」という視点の転換を切り口に、モチベーションアップ、チームビルディング、リーダーシップ、コミュニケーション、問題解決など様々なテーマで講演、研修を行う。自身の体験と多くの研修・講演…

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