1月、2月、「女」のスケジュール

　「女正月」。耳慣れない方も多いかと思いますが、年中無休のコンビニやファーストフードも無く、男性がお掃除を手伝うなんてあり得なかった母達の時代に、暮れからお正月にかけては年始の準備とおもてなしに女性ばかりが忙しく、15日を過ぎた頃から初めて女性がひと息ついてゆっくりできるお正月が来るといった意味で、元旦の「男正月」に対して使われていた言葉のようです。

　今では、親、兄弟、親戚とのお付き合い事を年始にまとめて、2日目以降は友人や娘達と福袋や新春セールをお目当てに外出。その後は家に友人を招いての鍋パーティをいくつか開いて、女性も楽しめる1月となりましたが、このところ、20日を過ぎた頃から一年の始めに”自分メンテナンス”をするのが新しい「女正月」の過ごし方になりつつあります。

　各世代の読者モデルや仕事でお付き合いのあるPRや編集、キャリア系の女性達に取材してみると、メンテナンスのための自分チェックのポイントは色々のようですが、大体、20代はまず見た目が気になる体重とボディチェック。30代になると、ケアの違いに差が出始めるお肌系のチェック、40代になるとビューティはもちろんですが、先延ばしにしていた婦人科系のチェックが優先、50代になるとエイジングに伴う心のバランスも含めた総合的なメディカルチェックを徹底するといった具合です。

　いずれの世代の女性にとっても、この時期は新年ということで自分自身をメンテナンスするモチベーションが上がるという訳ですが、ダイエットが目的のエステサロンはもちろん、美顔や整体のゴッドハンド、美容医療からレディースクリニックまで、信頼して身を任せる相手は”女性”という人が多く、まさに現場は女性同士で盛り上がっているようです。

　さらに続いて、1月も末となると、今度は2月14日のヴァレンタインデーに向かって、女同士で贈る「友チョコ」の話題が盛り上がってきています。新しいブランドチョコやパティシエ系の新作なども、お菓子の価値のわかる女性へのプレゼントを意識したものが主流になって、試食会がひとつのイベントになっていることも……。

　2011年某大手菓子メーカーが実施した調査では「今年のヴァレンタインにチョコをあげる予定の相手」は、女子同士で交換する「友チョコ」が71.5%で、彼氏に贈る「本命チョコ」の34.3%の2倍超え。圧倒的に女子同士の友情が優先されているという結果が出ました。家庭でも、ママが娘と手作りチョコをつくってパパにあげるというのが96.5%。渡すのがパパでも、2月14日は母と娘の女子同士で絆を深めるイベントであることが大切なのです。

　女性の時代になって、母の時代の解釈とは違って、新しく積極的に聞こえる「女正月」から、楽しむイベントとしてのヴァレンタインデーまでの1ヶ月を見ていると、2011年も女子同士のコミュニケーションが消費のモチベーションを上げること間違いなしのようです。