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2011年11月15日

打たれ弱い子どもへの対処法

 「うちの子は打たれ弱いっていうか、何か言われるとすぐにへこんでしまうんです」
 心配そうに語る親が増えている。

 少子化などの影響で、親が何から何まで世話を焼いてくれる今の子どもたち、そして、友だちと公園で遊ぶよりも自宅でゲームをしたり塾で過ごす時間のほうが多い現代の子どもたちは、ピンチを自分の力で打開する力や誰かに何かを言われて発奮したりする力が著しく欠如しているように感じる。いわゆる打たれ弱い子どもの増加である。

 もしも皆さんの子どもがこれに該当した場合、私が考える解決策は次の二つになる。

 一つは、親が自身の過去を振り返りながらアドバイスすることだ。
「パパ(ママ)は、小学四年の頃、絶体絶命のピンチに陥ったけど、こうやって解決した」
という体験談を事あるごとに聞かせ、経験則から助言するのだ。

 そうすれば、子どもは「そうか、パパ(ママ)もそうやって辛い場面を乗り越えてきたのか」と感じ、「僕(私)もがんばらないと」という思いになってくれやすい。

 もう一つは、格好のモデルを見せることだ。子ども受けするところで言えば、スポーツ界のトップアスリートかお笑い芸人がいいだろう。

 日本PTA全国協議会が実施した「子どもとメディアに関する意識調査」(二〇〇八年発表)によれば、「テレビに出ている人の中で誰から影響を受けるか」の問いに、小中学生ともに、スポーツ選手やお笑い芸人を上位に挙げているからだ。

 アスリートの場合、成績不振やけがに泣いた時期が一度や二度は必ずある。お笑い芸人の場合も、売れない時代に水を飲んで空腹に耐えたなどの話はいくつもある。

 親子でテレビのスポーツ番組やお笑い番組を見ながら、もし、特定の選手や芸人の過去について振り返るようなコーナーが始まったら、それに乗じて、
「日本代表の○○選手は、ファンから批判を受けて、こんなふうに奮起したんだね」
「芸人の○○は、先輩の芸人から言われたひと言で、逆にやる気になったんだね」
などと語ってみることだ。スポーツ番組を「勝った、負けた」で終わらせず、お笑い番組も「面白かった」で済ませないことが、子どもの心を強くする一つの道だ。

清水克彦

清水克彦

清水克彦しみずかつひこ

文化放送プロデューサー

文化放送入社後、政治・外信記者を経て米国留学。帰国後、ニュースキャスター、南海放送コメンテーター、報道ワイド番組チーフプロデューサー、解説委員などを務める。大妻女子大学や東京経営短期大学で非常勤講師を…

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