前回ご紹介した「すごいAI」Mythosですが、「ミトス」ではなく「ミュトス」と読むことになったようですね。ただMythosは前回書いたように「危険すぎる」ということで一般公開されていません。私も「まあ、セキュリティ問題が落ち着くまでは公開されないんだろうな。」と思っていたのですが、米国時間の6月9日、突然「Mythosに追加の安全対策を施したAI」としてFable 5が有料プランやAPIなどでアクセス可能になりました。(厳密にはさらにいくつかバージョンがあるようですが、ややこしいので割愛します)Fableもまた読み方が難しいのですが、今のところ多くの方が「フェイブル」と読んでいるようです。
セキュリティ上の理由から、どのような安全対策が施されたかは公開されていませんが、サイバー攻撃への利用を制限するなどの対策が施されていると報じられています。いずれにせよ、「Mythosってどれくらい賢いの?」ということが知りたい私のようなやじ馬にとってはうれしい出来事でした。
しかし、それもつかの間、公開からわずか3日後の米国時間12-13日には、アクセスが停止されてしまいました。これは、米国政府が国家安全保障に基づく輸出管理指令を発して外国籍者に対するアクセス停止を求めたことによるものと報道されています。これを受け、Anthropicは「外国籍かどうかをいちいち確認できない」として全ユーザーへの公開を停止した、という経緯のようです。
Anthropicは政府の指令には従いながらも「狭い・限定的な脱獄(jailbreak)の発見を理由に、数億人に提供中の商用モデルを回収(リコール)すべきだという判断」には異議を唱えています。そのため、短期間のうちにまた公開される可能性もあると考えられます。
今回の経緯は異例づくめですが、AIの実力が国家の安全保障にこれほどまでに深く関与し、しかも各国政府がそれに振り回されていることを明確に印象付けました。これまでのように純粋な技術的好奇心からAIを「使ってみる」といったことは、今後はできなくなるのかもしれません。
さらには、今使っているAIも、突然使えなくなったり、また使えるようになったりすることも考えられます。今後AIをどのように、どこまで使い込んでいくべきか、少し立ち止まって考えなおす時期に来たということなのかもしれません。


大越章司おおこししょうじ
株式会社アプライド・マーケティング 代表取締役
外資系/国産、ハードウェア/ソフトウェアと、幅広い業種/技術分野で営業/マーケティングを経験。現在は独立してIT企業のマーケティングをお手伝いしています。 様々な業種/技術を経験しているため、IT技…
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