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2026年05月18日

生成AIの最新版、アンソロピックのミトスは何が凄いのか

2026年4月、米アンソロピック(Anthoropic)がミトス(Mithos)という最新の生成AIを発表し、大きな話題を呼びました。それどころか、全世界のシステム管理者および行政当局に衝撃を与える結果となったのです。一般向けのニュースにもなったこの事件とは何だったのでしょうか?

まずアンソロピックについて。ChatGPTのOpenAI、GeminiのGoogleと共に生成AIの御三家と位置付けられる米企業です。玄人筋からの評価は高かったのですが、これまでは一般にはあまり知られていませんでした。実はアンソロピックはOpenAIのメンバーが離脱して設立された会社で、AIの性能はOpenAIやGoogleにも引けを取らないと言われています。

そのアンソロピックが最新AIのミトスを発表したのですが、その内容が、「こんなものができましたけれども、一般向けには公開しません」というものだったのです。通常は発表すればすぐに一般ユーザーが利用できるようにするものです(それによってシェアを獲得してビジネスにつなげる)から、今回のような発表は異例といえます。

そしてその理由は、「一般に公開するには危険すぎるから」というもので、同時に「なぜ危険なのか」という理由が公開されました。なんと、ミトスは今現在世界中で稼働しているコンピュータの基本ソフト(WindowsやMacOS、Linux、iOSさらにはAndroidまで)に存在する脆弱性を「数千件」発見した、ということです。

これでは公開できないのも無理はありません。公開したとたん、誰もがハッカーになれてしまうのです。スマホのデータが抜き取られるというレベルではなく、ガスや電気、水道といった生活インフラが麻痺させられるかもしれませんし、万一防衛や金融システムに侵入されれば、大変なことになります。

アンソロピックはミトスの発表と同時に、MicrosoftやAppleなどのITベンダーと脆弱性修正のための取り組みをすでに始めていることも発表しました。米国の財務省は即座にミトスへのアクセスを要求したと伝えられますし、日本の国会でも取り上げられ、財務省も動き出しています。

何故この件が一般向けのニュースにもなっているのか、ご理解いただけたでしょうか。「AIがこのまま進化したら大変なことになる」と主張する人はいましたが、まさか本当にこんなことになるとは、という感慨があります。(そんな呑気なことを言っている場合ではありませんが)ただ、ひとつの光明は、それを解決する手段の開発もAIが助けてくれる、ということです。

AIには意思はありません。ただの道具です。AIをどう制御し、使いこなすのかは、人間にかかっているのです。

大越章司

大越章司

大越章司おおこししょうじ

株式会社アプライド・マーケティング 代表取締役

外資系/国産、ハードウェア/ソフトウェアと、幅広い業種/技術分野で営業/マーケティングを経験。現在は独立してIT企業のマーケティングをお手伝いしています。 様々な業種/技術を経験しているため、IT技…

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