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2011年10月07日

「自然」と向き合うと、ビジネスの理想郷が見えてくる

「来る日も来る日も満員電車に乗り、所狭しと街を歩き、会社に出勤する」というビジネスライフを送っていると、時として、ビジネスパーソンは、「自分は何者なのか」ということについて盲目の状態になります。

「自分は何者であるか」、もちろん、間違いなく「自分は”人間”である」わけですが、今回は、読者の皆さんと一緒に、少し深い観点から「人間存在」について思索し、「ビジネスのあるべき姿(理想郷)」について模索していきたいと思います。

私たち人間が「人間存在」について考えるとき、最も妥当な出発点は、「人間という存在者は、”自然の一部”である」という見識です。そのような理由から、今回は、「自然」(nature)を意識しながら少しずつ話を進めていきます。

現在、私は毎日、朝の4時40分に起床しています。起床後、ゆっくりと朝食を食べ、5時過ぎには、自宅の屋上に上がり、頭上に広がる広大な空を満喫する日々を送っています。

皆さんは、日の出の時刻に綺麗な青空を見ることができるということをご存知でしょうか。朝日の光は、限りなく広がる雄大な空一面を照らし、「最も新鮮、且つ、純粋無垢な青空」を私たち人間に見せてくれます。2011年9月30日(金)現在、東京の日の出の時刻は、朝の5時34分。つまり、朝の5時半過ぎに空一面を見ると、”鮮度抜群の青空”を楽しむことができるのです。

朝一番で、純粋無垢、且つ、鮮度抜群の青空、そして、雲の動き・流れを見ていると、「自分は一体何者であるか」という人間存在における根本問題について、”思い違い”、”勘違い”することを回避することができます。

「自分は何者であるか」について思い違い・勘違いをしないためには、迎える一日一日において「人間存在」について深い思索をすることが必要となります。その際、次に掲げる3つの根本問題について思索することが重要となります。

その3つの根本問題とは、
1)「自分は、一体どこからやって来たのであろうか」
2)「自分は、今現在、宇宙空間におけるどこに存在しているのか」
3)「自分は、”一個の生”を全うした後、一体どこに行くのであろうか」。

“私たち人間”が「人間存在」について思索するとき、何よりも基本となる根本問題は、常に、これら3つの問題です。これらの問題は、日本に住んでいようとも、海外に住んでいようとも、常に、同じように重要な問題であるということは言うまでもありません。これらの問題は、まさに、人類史における数々の時代を超越し、世界のありとあらゆる文明・文化を超越して共通する最も根本的な問題といえるもの。今回、読者の皆さんにご提案したいことは、「文明社会に存する雑多なネオン・雑音に心を奪われることなく、この地球に存する一個の存在者として、自分を”丸裸”にして、自分自身を哲学していただきたい」ということです。

これら3つの問題について深い思索を試みると、その次のステージとして、その思索の経験を基盤として、「自分は、この地球に存する一個の存在者としてどのように生きるべきなのか」という、自分の人生を生きる上で最も重要な問題について、極めて厳格に、そして、最も地に足の着いた方法で哲学することが可能となります。

皆さんに試みていただきたいことは、まず、「自分の心の中を丸裸の状態にして”自然”(nature)と向き合ってみる」ということです。自分なりに工夫を凝らし、近くの公園、あるいは、お寺や神社など、木々や植物など、緑の多い場所に自分の身を置き、そこで静かに自分を見詰め直してみてください。都会の喧騒から離れ、静寂の中で「自然」と向き合うと、必ず、何かが見えてきます。「自然との対話」は、世界中のいかなる古典を読むよりも、人間存在におけるエッセンスを教えてくれます。

「自分は何者なのか」、このことが明確になってくると、その認識を基盤として、次のステージとして、
1)「では、この文明社会において、自分は一体どのように生きるべきなのか」
2)「今現在、自分が取り組んでいるビジネスは、今後、どのような方向性に向けて行っていくべきなのか」
などの問題について、まさに”地球規模のスケール”で捉えることが可能となります。

「ビジネスの理想郷」、・・・・・それは、本来、「人間が人間として行うべき”理想の行動”としての姿」といえるもの。今、このことを具体的に述べるなら、「人間として正しいことを行う」、「人々の幸せのために仕事をする」、ひいては、「会社のビジネスを通して、社会やコミュニティーの幸福・利益の実現を図る」などが考えられるでしょう。

「正しいことを行う」、…一見すると簡単そうに捉えられがちですが、実際のところ、自身の商品やサービスの市場占有率を高めることを主眼とし、常に過当競争が行われているこの経済社会において、「本当に正しいこと」を”そっくりそのままの形”で実践している企業体・ビジネスパーソンはそう多くはないでしょう。

率直に述べるならば、最初から、”大きな正義”を試みる必要はないと思います。最初は、迎える一日一日において、”小さな善”、”小さな正義”を行い、そうした小さな試みを毎日積み重ねていったらよいのではないでしょうか。

生井利幸

生井利幸

生井利幸なまいとしゆき

生井利幸事務所代表

「ビジネス力」は、決して仕事における業務処理能力のみを指すわけではありません。ビジネス力は、”自己表現力”であり、”人間関係力”そのものです。いい結果を出すビジネスパーソンになるためには、「自分自身を…

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