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2009年08月10日

営業成果を確実に上げる ”量”×”質”の法則

■HISを伸ばした「”量×質”の法則」

多くのお客様がご利用いただくことによって、現在大手旅行会社と呼ばれるようになっているHISも、私がビラ配りのアルバイトとして働き始めた当初は小さな小さな会社でした。ではなぜ大きく成長することが出来たのでしょうか?

HISが伸びた理由の一つに「”量x質”の法則」があると私は考えます。特に初期においては、圧倒的な量を行うことによって質を高めていたと思います。私も入社当時、上司から「成長したかったり、成功したかったりするのであれば、まずは長時間やることから始めることだよ」と教えられました。今回は、私がHISに入ってすぐに行った営業活動(ビラ配り)を例に、「量x質の法則」を解説します。

(1)徹底的に「量」を行う

人通りの多い街角に立って、ひたすらビラを配ることそれが、私の一番初めの仕事でした。その中で、昨日より今日、今日よりも明日という具合に配る枚数をどんどん上げていく。単純ですが、毎日、前日より高い目標数値をかかげて真剣に取り組むだけで、配り方や挨拶の仕方、声のかけ方、アピールするポイントなどが上手くなり、2週間で配れる枚数は400%程度もアップしました。訪問営業で言えば多くのお客様を訪問すること、電話営業で言えば、多くの電話をすることがこれにあたります。

(2)目的を確認する

「○○○枚配布するぞ!」と目標数値を明確にして頑張り、相当な量ビラを配れるようになった私ですが、ある時、「ビラ配りの目的は?」と上司に質問され、ハッと気づかされました。そうですね。皆さんお分かりのようにビラを配る目的は、お客様がHISで旅行に行ってくださることです。目的を忘れて数字だけを追っていては、本質を見誤ってしまいます。

営業の目的は、お客様が自社の商品やサービスに喜んでいただき、「ありがとう」という思いで対価をお支払いただくこと。数字だけを追って、目的を理解していない営業マンは、一時的に数値を上げることが出来ても、継続的に売上を上げることはできません。なぜならお客様の役に立ち、利益を上げるという営業の本質が見えていないからです。かく云う私も、ビラを多く配ることが目的化していましたので、本当の目的を確認し方向修正をしました。

(3)改善点を見つけ、出来ることからすぐ改善

量を行っていくと、目的を果たすための改善点が浮き彫りになってきます。ビラを多く配っても反応が薄いのはなぜかを考えると、マーケットが合致していなかったことに気がつきました。今でこそHISは、幅広い層のお客様がご利用いただいていますが、20年前は、格安航空券を販売するマイナ―な会社。スーツ姿のビジネスマンやOL、主婦の方々など街を行く一般の人々にビラを渡しても、「何これ?大丈夫なの?この会社」といった反応で、ご利用いただく可能性は大変低いものでした。

では、どこにお客様がいらっしゃるのか? 当時は、学生さんたちの間で海外への自由旅行が、流行し始めた時期でしたので、ビラを配る場所を街中から大学の門の前に変えました。すると、配布枚数は、街中より落ちるのですが、圧倒的に反応率が高まってきました。スーツは着ずに、ジーンズにTシャツ姿でビラ配りをしたことも彼らに対してプラスに働いたのか、ビラを配るだけではなく、「シベリア鉄道を利用すると安くヨーロッパへ行けますよ」、「中国でしたら、香港から鉄道で入ると格安で旅行できますよ」などと、彼らの興味を引くようなことを話しかけると友人のように耳を傾けてくれるのでした。このような関係が築ければ、旅行はHISに決まったも同然です。

また、大学へ出かけると、学生だけではなく教授の方々も学会などで海外へご出張なさるということもわかってきました。そして、学会の場合、現地の宿泊先は用意されていることが多いので、航空券だけ手配したいという要望が先生方にありました。当時のHISの強みを発揮できるチャンス!そこで教授室をノックし「学会や海外出張の際は、是非お電話下さい」と声をかけながら訪問すると、「こういう旅行会社がほしかったんだよ」といった具合に上々のリアクション。お客様も喜んでいただき会社も儲かるという流れが出来はじめ、教授や学生が他の教授や学生をどんどんご紹介いただく好循環が生まれだしました。

(4)質を高める

一旦成功したものでも、現状維持をしようとすると必ず低迷し始めるものです。そうならない為には、質を高めながら変化をつくりだす必要があります。ビラの内容を常に見直し、お客様が興味を惹く内容に改善することは、当たり前ですが、トークの内容を高めるために様々なことにアンテナを伸ばし話題を豊富にしたり、見た目もお客様に受け入れられやすい服装にしたり、洗練させた対応ができるよう訓練したりしていくことが大事です。

私もビラ配りの際、若い人が興味を持つような最新の海外のライブハウス・ナイトクラブのことやヨーロッパのブランド事情を調べたり、教授とお話する際に役立つよう美術館の情報などを頭に入れていましたが、そんな些細なことでもお客様にとても喜んでいただくことができました。こうなると、もっと他のことも勉強してお客様を喜ばせたいという好循環がうまれてきます。また見た目も、大学の先生方を訪ねる際は、スーツ(無理して購入)に安い靴でしたが、ピカピカに磨いて出かけると先方への敬意が伝わるのか好感をもっていただけたようです。態度についても、ホテルスタッフ用の接遇マニュアルを手に入れて練習すると洗練とまではいかなくとも徐々に信頼される立ち居振る舞いが出来るようになるものです。

■量は十分か?質を高めているか?

このように、ビラ配布という簡単な営業活動でも、数多くの量を行い、質を高めていくことだけでもかなり効果を生み出すということです。そして、この「量x質の法則」を用いていくと、多くの量と高い質がかけ合わせられ最大の営業成果が生まれるようになってきます。

営業がうまくいかないという方、まずは、行動をおこし、圧倒的な「量」を行うことです。そうすれば、おのずと改善点が見つかり、それを改善することによって結果的に「質」が高まってきます。ピンチに陥った時、「量は十分か?質を高めているか?」と自問自答すると、営業を成功させるヒントが見つかりますよ。

只松 崇

只松 崇

只松 崇ただまつたかし

ビッグ・フィールド・マネージメント株式会社取締役

24歳の時、チラシ配りのバイトとして株式会社HISへ入社。同社の持つベンチャー精神に大いに共鳴し15年間勤務。途中、妻の脳腫瘍が発覚し専業主夫として看病・育児に1年間専念。妻の完治後、ビッグフィールド…

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