男性と女性の社会では、明らかに「ルール」が異なるのを感じます。最近、やっぱり!とはっきりと実感したことがあります。私は研修や講演などで、人事やダイバシティ推進室の窓口の方たちとやりとりすることが多いのですが、担当者が、男性か女性か、によっても進め方に大きな違いがあります。
研修や講演の依頼を受け、その後、当日までのやりとりや、連続ものの研修ですと、振り返りと次回をどうするかなどの調整が入るのですが、女性担当者の方が私と直接やりとりをしようとします。
特に、研修会社が間に入っている時は、本来、研修会社の営業さんが人事担当者と講師の間に入ります。男性の人事担当者は、その役割を飛び越えることはないため、講師に何かを伝えたいときは、研修会社の営業を必ず通します。しかし、女性の人事担当者は営業を飛び越えて、講師に連絡してくるケースが多いのです。
理由をお伺いすると、「その方が早いから。」とのこと。
男性は元来縦社会。きちんと順序立てて、社会の序列を考えながら物事を進めていきます。これが男性のルールでもあります。
しかし女性には、残念ながらそんなルールはありません。縦横自由、縦横無尽に物事を進めていきます。そのため「その方が早い」と思ったら、例え相手がトップでも、間を飛び越してトップに話に行くのです。
ある男性にお伺いしたら、「今まで、課長の自分を飛び越えて部長に承認を得てくる女性に何度もしてやられました。もう女性は信用できない。」とおっしゃっていたのですが、女性は裏切ったのではなく、何度も申し上げますが「その方が早いと思ったから」なのです。課長に言っても、にっちもさっちもいかない、スピーディーに事を進めたいのに「まあ、待て」と言われてしまった。しびれを切らして、飛び越えて部長に言いにいった。そして、部長がOKしてくれた。結果、課長の存在は無意味なものになってしまった。そんな感じです。
これは、どちらが悪いか、というと、お互いの言い分があるのではないでしょうか。そう、成果を出すまでのプロセスが異なるのです。男性には、自分の中にルールに準じた成果までのストーリーがあるのに、女性はそれを無視して、スピードと効率を優先し、しかもフラットな世界観で生きているため、縦社会のルールが見えません。
今後、ますます社会に女性が増えていくと、男性社会のルールが壊れていくのは当然のことです。しかし良く考えると、変化の激しい、ビジネスにスピードを求められる世の中にとっては、女性のフラットなルールの考え方は必要なのかもしれません。
またスピーディに動けずに、仕事を止めてしまったり、判断力に欠ける管理職には、動かなければ自分を飛び越えられて物事が進みますから、なかなか厳しい世の中になってくるようです。
お互いのルールを尊重しつつ、グローバルについていける、ベストな組織になることが望ましいのではないでしょうか。
藤井佐和子ふじいさわこ
キャリアアドバイザー
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