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No.27 山名裕子

インタビュー INTERVIEW/美しい人 No.27 山名裕子 「柔らかい美しさを目指しましょう。心も肌も髪も柔らかくあれば、対人関係もうまくいきます。」 Photo:三宅詩朗/ Text:森綾/ Edtior:多久島志保乃

No.27 山名裕子

― 山名先生が臨床心理士という仕事につかれたのは、どういういきさつがあったのですか。
山名 父が精神科医だったので、人間のメンタルにはずっと興味はありました。小学生のとき、男子と女子は心がまったく違うんだな、とすでに感じていました。女子は女子どうし群れになって、誰かの噂話をして、どこ行くにも一緒に行動しますよね。女の子の複雑さや難しさをなんとなく感じていました。男性脳と女性脳は作りが違うというようなことを学んだのはずっと後でしたけど。もうひとつ、正直に言いますと、10代のときはほかにやりたいことが見つからなかったというのもあります。私は5月7日生まれなのですが『バースデーブック』という占いの本「向いている職業=臨床心理士」と書いてあり、運命的なものを感じたのもひとつのきっかけかもしれません。
― 今、先生のところにカウンセリングに来られる方で、一番多いのはどういう悩みをもった方ですか。
山名 診断名がつくレベルでは、強迫性障害やうつ病といった方が多いです。ただ最近では予防的に気軽にカウンセリングに来られる方が増えています。コミュニケーション能力を高めること、仕事へのモチベーションを高めること、対人関係を円滑にすること、ストレスケアをすること等を目的にいらっしゃる方もいますよ。
— アメリカ映画などで、よく歯医者に行くような感覚でカウンセリングを受けにいくシーンが出てきますよね。
山名 誰だってうつ傾向を多少はもっていますから。たとえば失恋したときには誰でもうつ傾向は高くなります。
— うつというのは、どういう自覚症状、あるいは身近な人にわかる症状がありますか。
山名 10個くらいチェック項目がありますね。

(1)何をしていても集中できない
(2)何をしていても楽しくない
(3)外出するのが億劫
(4)ご飯を食べても砂のように感じるなど、「美味しい」と感じられない
(5)自責の念。自分に対する無価値感がある
(6)感情の平板化、喜怒哀楽がない
(7)夜中や早朝に目が覚める。熟睡感がない
(8)胃の調子が悪い、手足や頭がしびれる、だるいといった身体症状がある、体重の増減
(9)倦怠感、あるいは焦燥感。漠然とした焦りが常にある
(10)希死念慮。つまり自殺願望です。これがあると、緊急に治療する必要があります。

— 確かにいくつかは短期間なら誰にでもありそうですね。そのうつを引き起こす原因にはどんなものがあるのでしょうか。
山名 たとえば最近多いのは「SNSうつ」です。FacebookやInstagram、タイムラインにおいて「いいね」や反応が少ないと、「昨日より減った」と落ち込んで何度もチェックしてしまうのです。自分の価値を「いいね」で測ってしまうんですね。また、全員にコメントしないと気が済まない。嫌われたくない、見捨てられたくない願望が極端に強い方もいらっしゃいます。LINEの「既読スルー」問題もそうですね。「既読」なのに返事が返って来ないのは、自分に興味がない、嫌われていると思い込み落ち込んでしまったり、反対にそういう相手を非常識だと捉え急にブロックしたり。考え方の歪みやクセによって気分が不安定になります。
— 過剰に写真に凝りすぎて生活が息苦しくなっている人もいそうですね。
山名 写真を加工しすぎて人に会いづらくなってしまったという相談もありました。現実とまったく違うので実際に会うとがっかりされるわけですね。そしてよけいに自分のルックスにコンプレックスをもってしまう。そこまでではありませんが、私も学生時代にいわゆる「読者モデル」をしていたときには、頑張って作り込んでいましたね。だから、そういう人の気持ちもわかるところがあるんです。

No.27 山名裕子

— そういう人はけっこういそうですね。最近よく聞く「婚活疲れ」というのも、うつのような状態になるんでしょうか。
山名 うつとまでいかなくても婚活に悩んで来られる方も多いです。そういう方の場合は、コミュニケーション能力を高めるトレーニングをしたり、考え方や物の捉え方の修正をしたりします。「結婚できない」自分ときちんと向き合うことが大切ですね。婚活に成功しない考え方のひとつには「白黒思考」があります。結果を急ぎすぎるんです。特に男性が多いですね。「自分がなぜ結婚できないのかわからない。いい物件なんですけど」と話される男性や「私が結婚できないのは綺麗すぎて近寄りづらいからかも」と話される女性もいます。自分を客観的に見ること、自分のタイプや性格をきちんと把握することができていないとなかなか対人関係が上手くいきません。人には優位に立ちたい心理や自分が正しいと思いこむ傾向がありますが、対等に立ち相手の考えを受け入れる柔軟性がないとトラブルになってしまいます。
— 結婚した後のカップルでのカウンセリングというのもあるんですか。
山名 はい。ご夫婦でいらっしゃる方もいます。奥様が私に話しかける言葉とご主人に話しかける言葉がまったく違う。そういうことに、2人の世界だとなかなか気づかないんです。「もっと可愛くお願いしたら旦那さんの反応も変わるかもしれないですよ」と私が言うと、ハッとされる。それからまず、女性心理と男性心理はまったく違う、ということを知るだけでも、かなり関係性は改善できます。たとえば女性は生理前にいらいらする。男性がそれを知っているか知らないかだけでも違うでしょう。あるいは、何か問題が起こったとき、女性はまず心への寄り添いを求めるのに対して、男性はよかれと思ってアドバイスし、解決策を提示したがります。そうすることで女性の怒りを増長してしまうケースも。
— 家族関係では、母子関係もいろいろありそうですね。
山名 「ほめる教育」は海外から入ってきました。しかし海外に比べ、日本ではもともと親子間の距離が近いため、「ほめ方」にはポイントがあるんです。親が「今ほめておけば早く片付くだろう」といった目的をもってほめると、子どもの嫌悪感に繋がり逆効果です。また能力だけをほめると、そこに縛られパフォーマンスの質が下がるケースもあります。モチベーションには外発的なものと内発的なものがあります。外発的モチベーションに偏ったほめ方は「何かできたら、お金などご褒美をあげる」「ただただたくさんほめる」というやり方。内発的モチベーションを高めるほめ方は一緒に楽しむ、やりがいを確認する、達成感を共有するというやり方ですね。身近な人のほめ方は本当に重要なんです。
— 人間、そんな完璧な人はいないですもんね。
山名 そう。完璧になってしまったら、ロボットですよ。人間味っていうのは、コンプレックスにあって、そういう抜け感こそが大事。私自身も、対人関係で大事なことは「柔らかさ」だと思っています。
— 柔らかさ、ですか。
山名 はい、私は「柔らかさ」をテーマに生きています。髪も肌も心も、柔らかくぷるぷるに保っておくこと。
どうやったら、心を柔らかく保てますか。
山名 ミルクをシェイクしたら泡立ち、ふんわり量が増えるあの感じを想像してください。心をシェイクする。わくわく、るんるん、ドキドキさせるんです。子どもの頃は道端で小さな花を見つけても喜んだでしょう?そんなふうに、小さな幸せを探して集めるようなことを日々やってみるといいと思いますよ。
そして、五感をしっかり使うことです。私たちは8割方、視覚に頼って生きていますが、触れたり、匂ったり、聞いたり、味わったり、もっと別の感覚を動かすのです。そしてインターネットの表に流れている情報だけでなく、その裏にあるものをイメージする。言葉の裏に隠れている暖かみを想像するということも、心を柔らかくする方法だと思います。

美の逸品

「Ri-fa」

「第一印象って大切なんです。『You never get a second chance to make a first impression』ということわざもあるくらい。外見というのもそういう意味で大事です。このマッサージ器具は、リンパを流して、肌の血色をよくしてくれます。肌が潤うと心も潤い、柔らかい印象を作ることができます。そして対人関係もうまくいく。それはすべて連鎖していますから。妻が表情をころころ変えると、夫婦関係が続くというデータもあります。柔らかい表情作り、セルフマッサージから始めてみてはいかがでしょう」

山名裕子 (やまな・ゆうこ)

山名裕子 (やまな・ゆうこ)

山名裕子 (やまな・ゆうこ)やまなゆうこ

公認心理師

1986年生まれ、静岡県浜松市出身。公認心理師。 「やまな mental care office」を東京青山に開設。 心の専門家としてストレスケアからビジネス、恋愛等あらゆる悩みへのカウンセリ…

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