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2008年09月15日

北京オリンピックで感じた≪準備の大切さ≫

前回のコラムで、「次回はメジャーの選手達の考え方を支える、
指導者の考え方とメジャーで活躍するために必要なことを紹介します。」と書きましたが、北京オリンピックの野球チームの戦い方に学ぶべきことがあったので、
今回は先にそちらのお話をします。

野球は、国内のペナントレースのような長期の戦いと、
オリンピックのような短期の戦いでは、戦い方が違ってきます。
「短期」と「長期」で、戦略が変わってくるのは、どの分野も同じですね。

特に短期の戦いでは、勝っていくことを一番に考えた場合、
調子の良い選手を積極的に使っていく必要があります。
ここで言う調子とは、1つは「体調」、もう一つは「心の調子」です。
この二つの調子が良い状態である選手を監督は見極め、
采配をとる事が重要です。

心と体のバランスに関してはこのコラムで幾度となく書いていますが、
短期の戦いでは、この部分が結果に顕著に表れてきます。

今回、オリンピックに出場した選手にはケガが多くみられ、
ベストコンディションで出場できなかったことがひとつの敗因と考えられています。
指揮官の批判も多く出ていますが、中心選手のコンディションがいまひとつで、
故障者も多い状態では、スタートの段階で厳しい状況だったはずです。

また、プロ野球のシーズン中のため、オリンピック選手だけで練習する期間も
練習試合も少なく、戦う準備が万全に出来ていたのかどうか、
疑問が残るところです。

日本の選手の技術は決して劣ってはいないはずなのに、
【心】と【体】というシンプル且つ重要な事がしっかり出来ていないのです。
【体】故障があればその部分が気になり、
当たり前のことですが最高のパフォーマンスは出来ません。
【心】体調が万全でないと絶対に不安な気持ちが残るものです。

この事が日本の一番の敗因になったと僕は思います。
勿論試合が始まれば、誰も言い訳はしません。
監督も選手もみな一流だから。

それでもオリンピックで勝つということは簡単ではないと、
監督・選手・関係者だけでなく、ファンも一緒に深く考えないと
いけないのではないでしょうか。
そのことを、野球・日本代表が教えてくれたのだと僕は思います。

それに、日本の野球は本来、相手の弱点をつき、
相手の力を出させないことが強みでした。
相手よりも、うまくスキをつくことができる選手。
その選手が故障をしていれば、日本のもっとも得意とする野球は出来ません。

最高の状態をつくるためには、どれだけの準備がいるのか。
最高の状態にもっていくために、選手も監督も、
もっとお互いに信頼できる状況を作ることが必要だったとも思います。

そのために、準備することの大切さを、改めて深く考えないといけません。

来年のWBCでは、何を考え、何を準備すべきか。
これからの日本の野球の考え方、行動が大切になると思います。

これを読んで下さっている皆さんも、それぞれの分野で目標達成をするために、
改めて準備の大切さを考えてみてはいかがでしょうか。
準備次第で結果が変わってくるはずです。

奥村幸治

奥村幸治

奥村幸治おくむらこうじ

ベースボールスピリッツ代表

イチロー選手が210安打を達成した時に、イチロー選手の専属打撃投手を務めていたことから“イチローの恋人”としてマスコミに紹介され、以来コメントを依頼されてのテレビ出演多数 。 1999年に中学硬式野…

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