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2008年02月01日

「イメージすること」の大切さ

2月。新年に立てた今年の目標も、日々に忙殺され、どこまで実現に向けて動けているか?と、そろそろ自問自答が始まってくる頃かもしれません。しかし、毎日朝はやってきて時間は過ぎていくばかり。実をいうと、私もいまそんな状態なのかもしれません。

こんなとき、私が選手時代に編み出したある考え方を思い出すと頑張れることがあります。今日は、それをご紹介させて頂きたいと思います。考え方や方法論は個人で様々お持ちになっているかと思いますが、何かのきっかけやヒントになれば…。

まず初めにいつも私がすることというのは、とにかく「イメージすること」。現役時代はとにかくこれを徹底していました。なりたい自分を頭の中で完全映像化するのです。例えば子供のころからずっとオリンピックの舞台で力を出し切り、メダルを獲得することを夢見ていた訳ですが、この思いが、手前味噌ではありますが、念じて念写できるかのごとく強烈な強さを持っていたように思います。常にイメージが頭の中で映像化されていて、その画面に映っているイメージは細部に渡るまで明確でした。

例えば、映像の中の自分がどんな顔の表情をしていて、目に見えるものだけでなく、心の中もどんな精神の安定を保っているかも再現できていたように思います。それだけではなく、自分はどんなトレーニングを積んできて、それによってどんな自信を身につけているから、その表情と精神に至っているのか、までを考えていました。何かきっかけがあると、いつも同じ映像が頭の中に流れ出てきました。

どんなイメージでも構いません。きっと皆さんの日常にも置き換えてみることができると思います。例えば、手がけた仕事が仲間や社会に役に立ったと思えるようなことができた後の、達成感を得た自分の姿など。「あの頑張りがあったから、今の収入になることができたんだ」など、どんな自分の姿でもいいと思います。

そして次の段階に入ります。その映像と、今の自分がどこまでかけ離れているかということを見つめます。イメージに近づくどころか、離れていることを自覚すると、私の場合はそれが自分にとって大きなストレスになることに気づきます。「全然だめじゃないか!なんでこんな自分になるんだ!」と。こういう状態に陥った場合に必要なのは、発想の転換です。

このストレスさえもプラスに利用すればいいのです。例えばこれも私の場合になりますが、ストレスを回避するために、こんな風に考えてみるのです。「このストレスから解放されるためには、選択肢は2択ある。できないと諦めれば楽になれる。できるように動いたらこれも楽になれる。だったらできるようになるほうが得じゃないか。」

ストレスが我慢できないほど嫌で、早く脱出したいのであれば、何が何でも動くのです。自分の嫌な環境を動かせるのは自分だけなのです。何度も言うようですが、ここでイメージが細かいことがモノを言い始めます。細かければ、あっちから、こっちから、とアプローチの方法が広がり、また「ストレス嫌だー!変えたい!!」という反発の作用が、自分の行動力にそれがパワーとなって加算されるのです。

「尻を叩かれなければやれない」、「切羽詰るまで動けない」と、時々そんな風に成長のない!?自分を自覚してげんなりすることがありますが、でも選手時代に培ったいざというときの「こうと決めたらできるまで動く」という精神は大切にしていきたいと思っています。これから、長い人生の色んな局面でその「いざ」が生かせるよう、日々自分自身を鍛えようと勤めています。でも、かかるストレスを上手く利用して、付き合って、この逆転の発想で乗り切りたいと思っています。

武田美保

武田美保

武田美保たけだみほ

アテネ五輪 シンクロナイズドスイミング 銀メダリスト

アテネ五輪で、立花美哉さんとのデュエットで銀メダルを獲得。また、2001年の世界選手権では金メダルを獲得し、世界の頂点に。オリンピック三大会連続出場し、5つのメダルを獲得。夏季五輪において日本女子歴代…

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