2010年02月01日

自信を持つことから始まる

 近況報告のような形でお話を始めますが、実は私、昨年の12月から、新しくご縁のできたシンクロクラブで小学4,5年生ぐらいの子供達を対象にシンクロの指導のお手伝いをさせて頂くようになったんです。

 週に2回だけの練習なので、12月からだとまだ練習の回数をそれほど重ねている訳ではないのですが、その短期間のうちでも子供達はみるみる上達していきます。新しいことを習って技術を習得していくスピードの速さには、もう、心底驚かされます。子供達自身も「うわっ!コーチの言ってる通り出来た!!」という感覚が得られると相当な達成感を感じるようで、表情がパッと明るくなり、くるっくるのお目々をキラキラさせて「今のどう!?」とばかりに私を見るんです。本当に可愛い!そんな時、「うんうん!もっと上手くなろう!!さぁ今度の練習メニューでは何を新しく教えてあげようかな?」なんて思ってしまいます。その時の私はさぞかし細い目をしていることだろうと思います。そしてこう思うのです。「自分が好きなこと(私の場合シンクロ)で、他の人が笑顔になったり、役に立てることがあるって、幸せ。」と。相変わらず厳しい社会経済状況が続く中、生温い理想論を語っているようですが、一生懸命仕事やそれぞれの役割に向かう皆さんにとっても、頑張ることの対価が「幸せ」を感じられるものであってほしいと思います。

 さて、こうして練習に関わる日々の中で印象に残る出来事がいくつかあったのですが、今回はその出来事を題材に、改めて気付かせてもらったことをご紹介しようと思います。

 先ほどお話させて頂いたように子供達は皆それぞれに上達していますが、特にそのうちの一人に目を見張るほどの急成長を遂げている選手がいます。その選手が変身に至る一部始終を目の当たりにし「はっ」とさせられたことがありました。

 子供達全員で『スカーリング』という水中での独特な手の掻き方の技術練習をしていたときに、その選手がピタッとはまる感覚があったようなんです。「そう!今の手の角度とスピードが必要なのよ!出来てるよ!○○ちゃんは今やってみてどんな感じがした?」と私が尋ねると「いつもよりしんどくて、水がとても重たくて、腕(の筋肉)も痛くなりました。」と答えてくれました。私は「それが正しい手の掻き方ができている証拠なの。だからそのしんどいところを、今度はできるだけ長く持続できるようにこれからまだまだ頑張ろう。」と言うと、「自分の体を支えるための水の重たさとはこの重たさなんだ!」と彼女の中に大きな確信があったことが見えました。自転車に一度乗れるようになったらもう二度と忘れることのないような絶対的な感覚の記憶。そんなやりとりがあったのです。

 それからその選手は、スカーリングを掻いて倒立姿勢をすると、何度やってもほぼ同様の出来栄えでその技術ができるようになりました。するとそれ以外の技術までウナギ登りに習得できるようになっていきました。顔つきもきりっと変わり、どんな物事に対しても前向きに率先して取り組むようになり、その選手が幼児期からやっていた競泳のタイムもここにきて飛躍的に速くなりました。ふとしたことがきっかけで『自信』というものを得た彼女は、私に示してくれました。人は自信がつくと、計り知れないパワーを発揮することができることを。

 私もシンクロを始めたばかりのときのことを懐かしく思い出しました。先生に認めてもらってどんどん新しいことができるようになると、もう楽しくてしかたがない。もっと上手くなりたいとさらに貪欲に向上心が芽生えて、学校から帰ったら早く練習に行きたいという衝動にかられるのです。

 この出来事を通じて思ったのは、子供だけでなく大人の社会の中でも、驕る(おごる)ことではなく、『自分を信じる』『自分は出来る』という自信は持つことは大切だということでした。「自信を持つ。」実際はとても難しいものです。「私は必ず出来るんだ」と。もしかしたら成功する前にそういう考えを持つには根拠のないことを信じることになりますし、意味を考えれば考えるほどわからなくなります。しかもその根拠のない何かに対して、全力で身も心もぶつかっていくことは、すごいリスクもあります。しかし、とにかく行動を起こしてみると何らかの成功体験や解決のヒントを得られるものだと私は思います。自信を得る時はやはり、ふとしたきっかけなんです。だからこそ、ふとしたきっかけを作るために、物事を見ているだけでは駄目で、実際に行動して、ピタッとくる感覚を探し続けなければいけない。そして、自分の確信と他者の誰かにも認めてもらうことが一致して、やっと「こういうことなのか!」という発見ができる。ここからがスタートなんです。

 私は今シンクロ以外のことでも自信をつけたいと思っています。だから色々と挑戦中です。まだまだ通過点はありますが、やり続けるつもりです。