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2009年06月25日

蟹瀬誠一の「納得!知っ得?日本の経済」

【今月の経済講師】
蟹瀬 誠一/国際ジャーナリストs2248.jpg

米AP通信社記者、仏AFP通信社記者、米『TIME』誌特派員を経て、91年にTBS『報道特集』キャスターとして日本のテレビ報道界に転身。文化放送「蟹瀬誠一、ネクスト」のパーソナリティ、『地球感動配達人 走れ!ポストマン』(TBS)などのキャスター・レギュラーコメンテーターを務め、カンボジアに小学校を建設するボランティア活動や環境NPO理事としても活躍。

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「失業率の高い危機的経済状況を乗り切れ!」

世の中には金持ちが沢山いる。先日、かの有名なロイヤル香港ゴルフクラブで現地の金融関係の大立者とプレーする機会があったが、なんと2億円の貴金属を身につけてプレーしているご婦人がいたのには驚いた。クラブハウスのテラスでお茶を飲んでいるときに聞こえてくる会話も半端な金額ではない。日本円にして20億円、30億円である。世界的な不景気などどこ吹く風。もちろん株などの投資で大損をしていないはずはないのだが、日本人と違うのは、落ち込まないですぐに次の儲け話へコマを進めているところである。一言でいえば楽観的なのだ。

楽観的と言えばすぐにアメリカ人を想像してしまうが、今回の金融危機ではちょっと違うようだ。失業率が25年ぶりに8.5パーセントという高水準に達し、さすがのアメリカ人も仕事探しにやっきなのだ。最近、経済誌FORTUNEがそのテーマで特集を組んでいた。なんでも「強力なコネよりも、いかに創造的であるかが職探しの鍵」なのだそうだ。ではどんなアプローチがクリエイティブなのか。答えは以下の通りである。

1.Work Your Rolodex. ローロデックスとはペラペラと名刺を捲ることが出来る米国のオフィスでは定番の卓上名刺管理器具のこと。それを調べて、過去に名刺交換をしたことのある人物で頼りになりそうな人にe-mailを送るのである。ここまではしごく普通である。違うのはそこからだ。決して失職中と書かず、「次の新しい事(next new thing)」を探しているというのだ。これで相手が会いたいと言ってくるから不思議である。面会では自分のやりたいことではなく相手が欲しがっていることに集中する。

2.Target Your Search.無差別に履歴書を送るのではなく、目標を絞ること。

3.Get Your Foot in the Door.面接では最初の30日、60日、90日のうちにあなたが何を達成できるかを説明する。今の状況で企業が社員を育てている暇はないからだ。

4.Fine-Tune Your Resume.米国の大企業では履歴書をスキャンして分別するソフトウェアを使っているから、そのフォーマットになるべく忠実に従うこと。

それでも仕事が見つからなかったら次の5つをしろという。

1.履歴書と知り合いのネットワークを更新する。
2.ネット上の人材募集サイトに履歴書を掲示する。
3.失職する前からヘッドハンターと仲良くしておく。
4.自分が出来ること、やりたいことなど書きまとめて整理してみる。
5.他人の書いた履歴書やカバーレターを読んで参考にするとともに、他人の助けになることを積極的にやってみる。

すべて尤もな提案ばかりだが、果たして雑誌や本のアドバイスに従うことがクリエイティブと言えるかどうか疑問だが、失業率が上昇している日本でもひょっとしたら役に立つかもしれない。

どんな経済危機もやがて台風のように過ぎ去ることは歴史が証明している。日本経済もマイナス成長が2年ほど続くだろうが、その後は中国や新興国の経済成長とともに回復基調に戻るだろう。それまでは種まきの時期だと割り切って技術力や生産性の向上に努めることが肝心だ。

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