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2018年11月15日

働き方改革の事例

さて、今回は働き方改革の実際の取り組みのなかでも面白いものを、生産性向上、仕事と育児の両立、多様な働き方、人材育成、そして有休の取得推進の5つに分けてご紹介したいと思います。

生産性向上

ある大手コンサルティング会社では、生産性向上に繋がるツールやコツを全社で共有する“PRIDE Tool Box”というナレッジ・データベースを構築しています。ここに各社員の知恵が蓄積されているので、人が流出してもノウハウを残すことができますね。また大手ならではの取り組みとは思いますが、生産性向上の具体事例を月替わりのシリーズ読み物「挑戦者たち」として社内ポータルと全社メールで配信しているそうです。これには書き手や編集作業も必要とは思いますが、こういう体裁をとることで、より多くの人が生産性向上に興味をもつようになりますね。さすが知的集団。

仕事と育児の両立

東急百貨店では、育児勤務者(小4まで)のための情報交換の場として懇親会を定期的に開催しているそうです。同じ年頃の子供を持つ者同士は、悩みも似ているので、こうした場をつくることは親の精神的負担を減らすことにもなり、良い取り組みですね。またこちらでは休日出勤する育児中の社員のために土日祝日専用の保育施設があるそうです。これは週末にかかわらず出勤する親にとってはありがたいと思います。

多様な働き方

あるシステム開発会社では「リモート社員」という制度があり、これは会社がテレワークで成果を出せると認めた者が対象です。以前は本支社以外では働けず、Uターンで地元に戻る社員は退職せざるをえなかったが、この制度のおかげで勤務の継続ができ、優秀な人材の流出を防げたそうです。これが許されれば、場所にとらわれない働き方ができますね。

またラーメン「日高屋」などでおなじみの株式会社ハイディ日高では、4つの正社員枠があります。勤務地限定の「エリア社員」、深夜労働がなくエリア限定で働くことが可能な「フレックス社員」、仕事と育児・介護及び治療の両立並びに夢を追い求めながら働く人のための「チャレンジ社員」、月40時間以上から勤務可能な「フリー社員」の4つですが、たとえば「チャレンジ社員」という枠を利用して、正社員として働きながらスポーツや音楽の道を目指して働くこともできるという、なんと素晴らしいことか!これは会社の経営理念の一つでもある「挑戦」を働き方として支援しているそうですが、このように理念を掲げるだけでなく、実際に制度として体現しているというところが素晴らしいですね。

人材育成のための助成

秋田県のあるホテルグループでは、仕事に対する関心をよりもってもらうために、他のホテルに宿泊した際、その費用の一部を会社が負担する制度があります。一回につき10,000円まで、年に3回利用でき、家族利用も可。社員は宿泊研修レポートと領収書を提出すればよいとのことです。これにより、普段しているサービスをされる側になり、感じるところも多いでしょうし、自分の余暇の充実にもつながるので、まさに一石二鳥といったところですね。

有休の取得推進

東京のとある服飾品小売業の会社では、有休の年付与日数のうち年6日については「記念日休暇」がとれるようになっています。これは年初めに、各人の記念日を年休の取得予定日として申請し、これを確実に取得できるようにシフトや業務を調整する、といった試みです。もちろん人によって予定は様々で、重なって実現しないこともあるのでしょうが、こうした取り組みは、社員の側に立っており、ありがたみも感じやすいと思います。

次回は、引き続き働き方改革の事例についてご紹介します。どうぞお楽しみに。

川村透

川村透

川村透かわむらとおる

川村透事務所 代表

「ものの見方を変える」という視点の転換を切り口に、モチベーションアップ、チームビルディング、リーダーシップ、コミュニケーション、問題解決など様々なテーマで講演、研修を行う。自身の体験と多くの研修・講演…

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