2004年08月05日

ミスしたときこそチャンス!

 私が運営している派遣型英語スクール、YECの話です。

 ある日のこと。電話が鳴りました。
 「あの...本日7時に体験レッスンをお願いしている○○と申しますが...」
 「はい...?」 (ん、今日アポ入ってたかな?)
 「えっと、今日7時、高田馬場でしたよね?」(あれ、これってこの前キャンセルのメールが来たんじゃなかったけ...)
 「うーーん、今日はなかったと思いますが...」

 もう頭がパニックです。何が起きたのか?よく状況がわかりません。先生の手配もしていないし、いまから行っても間に合わない。しかたなく「すみません。こちらの手違いで今日はレッスンができません。申し訳ないです」 こういって私は電話を切りました。

 落ち着いてよく考えてみると「レッスンをキャンセルしたい」とメールがあったのは別の人だったのを、間違って今日の高田馬場の件と勘違いしてしまったのでした。これでようやく事態が飲み込めました。

 このビジネスをして二年近くになりますが、生徒さんにドタキャンされたことはあっても、自分からしたことはありません。こんなことは初めて。最悪のケースです。

 皆さんも仕事をしていて、自分側のミスで大失態をおかしてしまったことはありませんか。長年かけて築いた信用も、一瞬にして崩れ去るもの。こんなとき、ブルーになり、落ち込んでしまう人も多いのでは?しかし、このように失敗したときほど、実は信用を深めるチャンスなのです。ところが日本の多くの企業、お店などを見ていると、この姿勢があまり感じられません。というかあまりにヘタクソなのです。

 ミスをしたらとにかく頭を下げ、「申し訳ございません」とあやまる。あやまる。そしてあやまる。あやまって、反省すればことが済む?...わけがないのです。そうしてあやまって反省しても、結局何も変わらない企業をたくさんみているだけに、その場しのぎの対応を見るにつけ、私はいつも怒り狂っているんです!(プリプリ)こうしてお客、消費者の心は離れていくのに。

 さて、先ほどの要点をまとめると:
・ 生徒さんと決めていた体験レッスンの日に何も準備していない
・ 相手はまったく悪くない
・ 相手はそのためにわざわざ都心に出てきている

 さあ、皆さんならどう対応しますか?私は、次のようなメールを出しました。

--------------------------------------------------------------------
○○様、
 今回は誠に申し訳ありません。事業開始以来、こんなことは初めてです。原因は、ほかの方から受けたキャンセルのメールを○○様と勘違いしたことでした。お急ぎのようですし、他社でよい先生が見つかることをお祈りします。
 ただ、もし再度チャンスをいただけるなら、お詫びとして、通常料金の半額でレッスンをさせていただきます。先生もとてもよい方ですので、ご紹介できないのが残念です...
--------------------------------------------------------------------

 結果はどうだったか?この生徒さんから再度連絡があり、結局レッスンをすることが決まったのです。もちろん、このレッスンをしても当方の利益はほとんどありませんが、信用を取り戻すことを考えれば安いものです。

 ミスの対応をするときには、「ここまでしなくてもいいだろう」と思うくらいの姿勢を見せてちょうどいいのでは?こちらがギリギリの決断をすると、その真剣さは相手にも伝わります。そして感動してくれます。しかし、多くの企業はこういうときにすらケチケチしているから、お客はますます離れていくのです。

 先日、とある和食居酒屋のチェーン店に入ったのですが、注文は何度言っても通らないし、品物は間違えるし、会計の明細も間違っていて、カンカンになって本部に電話をしました。後日、店長からお詫びの手紙と有効期限1ヶ月つきの食事券がきましたが、有効期限をつけている場合ではないでしょう!(それも1ヶ月)こうして意見を言ってくれる客こそ、大事にしなくてはいけないのでは?(私のような人種は、きちんと対応してくれれば、逆にお店への忠誠心がぐっと高まるんだけどなあ...)

 それとは逆に感心したのがスターバックス。あるときお店で「このコーヒーの温度、ちょっとぬるいよ。熱くならないの」と聞いたら「全店共通で同じ温度で出しています」との答え。「もう少しあったかいとおいしいのにね」そういってお金を払おうとすると、「御代は結構ですから」という。

 これには感動しました。別にそこの店員が悪いわけでもないのに。私はほぼ毎日のように通うので、これでまたスタバは優良顧客をゲットしたことになります(笑)。

 仕事で、人生で、どうしようもないミスをおかしてしまうことは必ずあります。でも、そこで落ち込んで止まってしまわずに、「それをどうプラスに変えられるか」を考えましょう。自分を責め、失敗を反省するのはあまりおもしろくありませんが、「これをチャンスにするには...」と考えるのは、案外楽しいものです。私はこういう思考パターンをするようになってから、ミスをして落ち込むことがほとんどなくなりました。逆にミスをすると、ニヤッと笑ってこう思えるのです。「よし、どうやって相手をびっくりさせてやろうか」ってね。

<今月のレッスン:ミスは自分をアピールする千載一遇のチャンスだ>