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2011年06月03日

『もし』は思考の枠を飛び越える魔法の言葉

いま巷では「もしドラ」ブーム。『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら』(ダイヤモンド社)という、ビジネス書からドラマ、映画にも展開している作品ですが、この「もし」という枠組みは、それまで既成概念に固まっていたアタマを強制的に解放する、とても魅力的なキーワードなのです。

 よく社内研修などで、依頼の内容に”参加者自身に自発的な行動を考えさせたい”ということがあります。「いまの仕事以外に何ができるかを考えてほしい」「自分から企画を出してほしい」とか。たとえば一日がかりの研修で、じっくりと各人がそのチームの一員としての自覚を持ち、「何かしなくちゃ!」というところまで落とし込めたあとに先ほどの問いをすれば効果はあるでしょう。しかし、なかなか2時間ばかりの研修では、そこまで落とし込むのは難しいもの。実際「では最後にグループワークです。組織に貢献するため”いまの仕事以上に何ができるか”を考えてみましょう」と投げかけても、おそらく議論はあまり進みません。それは、あまりにもこの問いかけが直球すぎて「ここでもしそれを発表して、それをやる羽目になったらどうしよう」とか「あまりにもリアルすぎて、アイデアが思いつかない」など、不安や制約が先に立ってしまうのが関の山です。

 そこでさきほどの「もし」の力を借りるのです。たとえば、
 「皆さん、今日はコンサルタントです。今日、クライアントのA社からこんな課題をいただきました。A社では、営業とバックオフィスの関係を今以上に強化したいので、総務の人たちが、営業チームのために何ができるか、を考えてほしいということです。どうすれば両者の関係を活性化することができるでしょう。これまでにない、ユニークなアイデアを考えてみてください」

 こう投げかけることで、まったく空気が変わります。結局は自分の職場のことを考えるにしても「もし皆さんが外部のコンサルタントだったら…」という”見方”を提供することで、自分の環境を外から見ることが出来るようになり、制約が外れて活発な意見がでるようになるのです。実際、こうした問いかけをしてみたところ、「子ども誕生日を聞いてプレゼントをあげる」「帰社時にお絞りを出してあげる」や「地域のうまいものマップを作ってあげる」など、とてもユニークなものがいくつかでました。これらは楽しそうですよね。

 いきなり難しいテーマを掲げるより、まずはやってみたらどんな楽しいことができるだろう、という、成功の向こう側のイメージをみてもらう。そのために「もし」の設定はとても有効です。

川村透

川村透

川村透かわむらとおる

川村透事務所 代表

「ものの見方を変える」という視点の転換を切り口に、モチベーションアップ、チームビルディング、リーダーシップ、コミュニケーション、問題解決など様々なテーマで講演、研修を行う。自身の体験と多くの研修・講演…

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