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コラム 教育

2015年05月22日

体罰による弊害は長期にわたって子どもを傷つける

 「言ってもわからないときは叩いて教えるのもやむを得ない」「その子のためになるなら、叩いてもいい」「お互い納得しているなら叩いてもいい」。

 このように考えて、体罰を肯定している親やスポーツの指導者はたくさんいます。日本では未だに体罰を肯定する考えが根強くあるのです。

 でも、体罰の弊害はとても大きく、長期にわたって子どもの内面に深刻なダメージを与え続けます。

 叩かれた子どもは、「自分は叩かれる程度の存在だ。大した価値がない存在だ」と感じるようになります。これは、自分の存在や能力に対する否定的な感情につながります。

 また、叩いてくる相手に対しては必ず恐怖を感じます。この恐怖がトラウマになり、他者一般に対する漠然とした恐怖感を引きずるようになります。

 これが他者不信感になり、他者との人間関係をうまくつくれなくなることがあります。

 また、問題が解決しないときや自分の意思が通らないときは、最終的には暴力に訴えていいのだと考えるようになります。なぜなら、そういう見本を見せられているからです。

 さらには、人間関係における縦の関係、つまり上下関係を強く意識するようになります。つまり、上には絶対服従で下には強圧的という感じになります。先輩・後輩の関係を異常に絶対視するというのも同じです。

 このようにいろいろな弊害があります。どんな理屈をつけても体罰は絶対に許されないことです。

親野智可等

親野智可等

親野智可等おやのちから

教育評論家

本名、杉山桂一。長年の教師経験をもとに、子育て、しつけ、親子関係、勉強法、 学力向上、家庭教育について具体的に提案。 Twitter、YouTube「親力チャンネル」、Blog「親力講座」、メール…

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