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2015年10月23日

「 ややこしい、わかりにくい、めんどくさい」というフィルタリングの誤解 ②

 前回のコラムで、「フィルタリングの設定方法によっては、LINEやニコニコ動画を利用することができる」と書きました。別の言い方をすれば、「LINEやニコニコ動画が利用できないなんてぜーったい無理! =フィルタリングを設定しない」という子どもの言い分は「間違い」ということになります。

 もし、子どもにそう言われるままフィルタリングの設定をしない保護者の方がいらしたら、ぜひ対応方法を覚えておいてください。ちなみに、ここでは「わかりやすさ」を重視して説明しています。フィルタリング機能のすべてを詳細に紹介するわけではないので、あくまでも「入門編」という前提で読んでください。

①販売店で設定方法を教えてもらう

 子ども用の携帯電話やスマホを購入する際、近くの販売店で契約する保護者が大半でしょう。フィルタリングの設定方法がわからない場合は、購入した機器を持参して販売店に行ってください。お店で直接、設定方法を教えてもらうのです。

 前回のコラムで書いたように、18歳未満の子どもが携帯やスマホを利用する際にはフィルタリングの設定が法律で義務化されています。販売店には説明する義務がありますから、遠慮なくどんどん質問してください。

②キャリア(携帯電話の会社)に問い合わせる

 ドコモやau、ソフトバンクなどの携帯販売会社では、それぞれ「アクセス制限サービス」を提供しています。アクセス制限とはフィルタリング機能のことで、有害情報や危険なサイトに接続できないようにするものです。

 各社は子どもの年齢に応じて、いくつかのコースを設けています。たとえばauなら、小学生向け、中学生向け、高校生向けというふうに学齢に応じたコースがあります。フィルタリングの強度は、年齢が進むごとに「強⇒中⇒弱」と変わる仕組みです。

 学齢ごとのコースはあくまでも「目安」ですから、仮に中学生でも高校生向け、つまり「弱」を選ぶことができます。こうすることで、閲覧できるサイトやダウンロードできるアプリの種類が広がり、ゲームや動画などが利用できるようになります。

③iPhoneのペアレンタルコントロールを使う

 日本ではiPhoneの人気が高く、スマホユーザーの6割以上が利用しています。iPhoneには「ペアレンタルコントロール」という機能があります。親(保護者)が子どものスマホ利用に「制限」をかけられる、という意味です。

【設定⇒一般】と進むと、【機能制限】という項目があります。機能制限の項目を開くと、「iTunes Store」、「App内課金」等たくさんの項目が表示され、それぞれオンとオフが選択できるようになっています。

 たとえば「子どもがゲーム内で勝手に課金するのを防ぎたい」なら、「App内課金」をオフにします。このように、それぞれの機能を利用するかしないか、親(保護者)が設定できるという仕組みです。

④Androidなら子ども向けスマホを購入する

 iPhoneはApple社しか提供していないので操作や設定方法は共通です。しかし、Androidの機種ではたくさんの会社が販売しているため、設定方法もバラバラなのです。そもそも、「iPhoneだろうとAndroidだろうと、自分で設定するのは無理」とさじを投げる保護者の方もいらっしゃるでしょう。

 そのような場合は、おとなと同じ機種ではなく「子ども向けスマートフォン」を購入してください。「子ども向け」であってもLINEやゲームなどは保護者の同意の上で利用できます。一方、有害サイトへの接続や課金などは制限されますから、比較的安全に使えます。

 利用時間を制限できる機能も入っていますから、「午後10時まで」などと設定すれば、長時間の利用を防げます。

 以上、初歩的な方法を紹介しましたが、いずれにせよ大切なのは「親子で共通認識を持つ」、そして「親子で話し合う」ことです。買うだけ買ってあとは知らない、そんな親の姿勢は、子どもにとって百害あって一利なしと心得てください。

石川結貴

石川結貴

石川結貴いしかわゆうき

ジャーナリスト

家族・教育問題、青少年のインターネット利用、児童虐待などをテーマに取材。豊富な取材実績と現場感覚をもとに、多数の話題作を発表している。 出版のみならず、専門家コメンテーターとしてのテレビ出演、全国各…

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