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2009年12月25日

思春期の子どもに親の気持ちを伝える

思春期と呼ばれる年代の子どもを持つ親御さんたちの共通の悩み、それは「子どもが、とにかく親に逆らう」という点です。

親の言うことにはことごとく逆らい、子どもなりの理屈を通そうとする。
子どもの言っていることを聞いてみれば、その理屈はそれなりに理にかなってもいる。
しかし、親には親の気持ちがある。どうしたら親の気持ちが彼らに伝わるのだろうか。
その悩みがきっかけで、ある中学校から講演依頼を頂きました。

タイトルは『思春期の子どもへの対応はこれだ!』
講演会では【親業訓練講座】で学ぶ、話の聞き方と語り方をメインに話をします。

今回ご紹介するのは、講演を聞き、その後すぐに講座を受けにいらした方の体験談です。

長女は頑固で親の意見など絶対に受け入れず、自分の意見を押し通します。
中学生になった今、自分から塾に行くことを考え始めました。塾に入ることは親としても大賛成です。しかし、娘はA塾に入ることを希望しています。なぜA塾がいいのか、娘なりに理由があります。

親はB塾を希望しています。
B塾の場合は電車で、A塾は自転車で通うことになるのです。
雨の日や寒い冬の夜、自転車で通うことを考えると親は心配です。電車で通うのであれば、その心配は不要です。さて、どう言ったら良いのか…。

講座は受け始めたばかりで、親が困ったときの対応については、まだ学んでいません。

これまでのパターンは、
「自転車で通うとしたら、雨の日はどうするの? 寒い冬はどうするの?」
「どうせ私に車で送り迎えを頼むんでしょう」「電車で通えるB塾にしなさい」
でも、この言い方はどれも『あなた』という言葉が主語になっているし…。

講演会で鈴木さんが、親が困っているときは『わたし』を主語にすると言っていたのを思い出したので、思い切って言ってみました。

「お母さんはね、寒い冬や、雨の日のことを考えると、自転車で通うのはとっても心配なのよ。 事故にあったり、風邪を引いたりするんじゃないかって…」
すると娘は「あっ、そう、じゃぁB塾にする(にっこり笑う)」

この方はご報告の最後に、あんなに頑固な娘が、私の意見を、拍子抜けするくらい簡単に取り入れたので、本当にビックリしてしまった、と仰っていました。

【親業訓練講座】では、問題を抱えた本人が主体的にその問題を解決していくための対応法を学びます。
第一回目の3時間は「誰が問題を抱えているのか」をはっきりさせることから始まります。この仕分けが出来るようになった第二回目から、実際の対応法を学ぶことになります。
「問題」などというと、ちょっと難しく感じるかもしれませんが、つまり「親と子のどちらがイヤと感じているのか」という仕分けです。

「親である私がイヤと感じているのか、子どもがイヤと感じているのか」この仕分けは案外難しいものなのです。講座を受け始めたばかりの方々がちょっと混乱するところです。
親は「子どもがA塾に入るのはイヤ」
子どもは「親がB塾を薦めているのがイヤ」
いかがです? このように考えると、親も子も「イヤ」と感じているとも思えますよね。

この方はたった3時間の受講で、親である自分が問題を抱えていることを認識し、『わたし』を主語に語る方法を実践し、自分の気持ちが子どもに伝わったことが実感できたのです。

皆さんも、子どもへの対応でどうしたらいいのか、困ったとき、「今誰がイヤなのか」を考え、自分が困っているとわかったら『わたし』を主語に語ってみてはいかがでしょうか。
子どもの意外な反応に出会うかもしれませんよ。

鈴木みどり

鈴木みどり

鈴木みどりすずきみどり

親業訓練協会シニアインストラクター

人間関係をより良くし、相手のやる気を伸ばす方法を、難しい言葉を使わずにお伝えしています。誰にでも即実行可能な方法を手にすることができます。笑いあり、涙あり、実践ありの充実した講演と定評です。

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