2019年08月16日

2019年アフガニスタン大統領選挙

 アフガニスタン大統領選挙が9月28日に行われます。現職アシュラフ・ガニ大統領続投に対抗する多数の候補者が乱立。大統領選はまさに群雄割拠状態となり、ガニ大統領再選も決して安泰とは言えない状況となっています。
 アフガニスタンでは政情不安が続き、過激派の増幅により治安が悪化。イスラム組織タリバーンや中東を拠点としていた過激派イスラム国が反政府テロ活動を競い合うように拡大させ、多数の市民が犠牲となってきました。現実としてテロリストを抑え込めないガニ大統領に非難の声が上がっており、大統領選での治安復興の公約は国民の支持を得る最重要公約であると言えます。

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 また、テロ攻撃を続けるイスラム組織タリバーンの内部構造にも変化が見えてきています。アフガニスタンに駐留するアメリカ軍撤退のための交渉窓口にタリバーン関係者が参加。対話路線を受け入れる構成員が実在することを歓迎する一方、アフガニスタン政府とは直接交渉はせずテロでの揺さぶりをかける強硬派も依然として勢力を保ち続けています。タリバーンの舵取りをめぐる内部対立がより際立ち始めています。
 アメリカのトランプ大統領は、アフガニスタンからの駐留米軍の撤退を要求。タリバーン側との和平協議で一般市民へのテロ行為の停止や治安復興活動への支援、駐留米軍を段階的に撤退させていくメッセージを送りました。同時にタリバーン掃討作戦に限っては戦闘による大量犠牲者の発生やむなしという発言も含まれており、タリバーン側に外交戦術としての選択と責任を求めています。

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 アフガニスタン和平協議には隣国パキスタンの存在が要と言えます。イスラム組織タリバーンへの後ろ盾や情報隠蔽によるテロの拡大をパキスタンが容認しているとトランプ政権は非難。特にパキスタンの情報機関であるISI(三軍統合情報局)の存在が黒幕であることを指摘。両国の不信感が高まる中、パキスタンのイムラン・カーン首相がアメリカを訪問。ワシントンのホワイトハウスでトランプ大統領と直接会談を行いました。アフガニスタン情勢をめぐる共闘を約束しながらも、パキスタン軍部の後ろ盾を受けるイムラン・カーン首相がどこまで対テロ強硬路線を貫けるのか、確証はないのが現状と言えます。アフガニスタンの次期大統領こそが、治安復興や過激派とのつながりを変えていくことを国民は期待しています。大統領選挙に注目が集まります。

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