
昨年10月10日に承認されたガザ停戦合意の実効性に不信感が強まっています。停戦合意以降の3ヶ月間でガザ住民420名が犠牲となりガザ軍事侵攻による犠牲者総数は7万1300人を超えました。ガザ南部では依然イスラエル軍の攻撃が続き避難者のライフラインは壊滅状態となっています。
イスラエル政府はガザ停戦合意第二段階への移行を受けガザ管理体制を強化。ガザ領内での外国人職員を含む国際支援団体を排除しエジプト国境からの緊急支援物資搬入も完全開放を認めていません。ガザ住民の収容所施設への隔離政策や第三国への移住計画までもが取り沙汰されています。ガザの人口約220万人の半数以上が極度の食糧危機に直面する中、イスラエル政府は支援物資の散発的な搬入を一部認めるもガザ領内で住民支援にあたる国際支援団体の活動には停止命令を宣告しました。ガザで支援活動に向きあってきた国境なき医師団含む国際NGO団体の活動を停止させ支援団体に紛れる過激派流入を遮断させると説明。イスラエル主導のガザ完全統治体制の構築が狙いと指摘されています。

ガザ停戦合意第二段階協議ではガザ戦後監視体制を任務とする国際安定化部隊(ISF)の派遣計画が進んでいます。ISFにはエジプトやサウジアラビア、インドネシアが参画予定でありさらにイスラエルの軍事侵攻を非難してきたトルコによる軍派遣の動きがありイスラエル側はISFへの警戒と拒絶の姿勢を強めています。
パレスチナ自治区ヨルダン川西岸では国際法違反であるユダヤ入植活動は依然拡大を続けており西岸に点在するアウトポスト(前哨地)を拠点としたパレスチナ住民襲撃事件が多発しています。イスラエルに対峙してきたイスラム組織ハマスにも動きがあります。次期最高指導者としてハマス政治部門幹部アル・ハイヤ氏を選出する動きが確認されました。イスラエル軍は2024年7月にハマス最高幹部ハニヤ政治局長をイランで殺害。2025年10月にはガザ地区最高指導者ヤヒヤ・シンワル氏を殺害。ハマス側はガザ停戦合意第二段階の要件である戦力完全解除に抵抗する姿勢を見せており合意要件が双方によって破棄される懸念が高まっています。

最後にパレスチナ一帯のデータを再確認してみます。ガザ地区の面積は約365平方キロメートル。東京23区の約6割と同じ程度。パレスチナ自治区ヨルダン川西岸の面積は約6000平方キロメートル。三重県と同じ程度。イスラエルの面積は約2.2万平方キロメートル。四国と同じ程度であります。パレスチナ一帯の人口比率ではガザ地区の人口は約220万人。パレスチナ自治区ヨルダン川西岸のパレスチナ人の人口は約330万人、ユダヤ人入植者の人口は約70万人。イスラエルの人口は約990万人。


渡部陽一わたなべよういち
戦場カメラマン
1972年9月1日、静岡県富士市生まれ。静岡県立富士高等学校 明治学院大学法学部卒業。戦争の悲劇とそこで生活する民の生きた声を体験し、世界の人々に伝えるジャーナリスト。 世界情勢の流れのその瞬間に現場…
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