2018年12月20日

2018年の世界情勢を振り返る

 2018年、世界情勢のうねりは悪い方向に導かれた1年であったと痛感しています。世界中の国々、特に中東・アジア地域に目を向けるとその動向は際立ちます。中東のシリア情勢は、いまだアサド政権、反政府軍、過激派組織が入り乱れた衝突が続き、ロシアやアメリカが介入する代理戦争の様相を呈し、建国70周年を迎えたイスラエルでは、トランプ大統領がアメリカ大使館を聖地エルサレムに移転したことでアラブ諸国が反発。パレスチナ自治区ガザでは、交戦が激化し、犠牲者が後を絶ちません。サウジアラビアでは、若き指導者ムハンマド皇太子が、政府批判を展開したジャーナリスト・カショギ氏をトルコで殺害した疑惑が浮上。さらに隣国イエメン内戦に介入し、反政府武装組織フーシに対して大規模爆撃を続け、多数の子供達が犠牲となり続けています。このイエメンでは、暫定政府と武装組織フーシ、さらに過激派組織アラビア半島のアルカイダが三つ巴となった内戦が泥沼化。国民の半数以上が飢餓状態にあると報告されています。トルコでは、大統領制を導入したエルドアン大統領が権力基盤を固め、反エルドアン勢力を粛清。事実上の独裁体制であると各国から非難の声があがっています。エジプトでは、過激派組織イスラム国の支局を名乗るシナイ州によるテロが続発。キリスト教の流れをくむ少数派コプト教徒襲撃事件が繰り返し発生しました。

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 アジア地域では、アフガニスタンで行われた議会選挙に絡む混乱からテロ事件が拡大。イスラム組織タリバーンと過激派組織イスラム国ホラサンがテロの実績を競い合うかのごとく襲撃事件を引き起こしています。隣国パキスタンでは、国民的英雄である元クリケット選手イムラン・カーン氏が新首相に就任するも、パキスタン軍部との関わりが強く、隣国インド・アフガニスタンとの関係値に不安の声があがっています。ミャンマーとバングラデシュでは、少数民族ロヒンギャをめぐる難民問題が激化し、国連調査団からはジェノサイド(大量虐殺)が発生している可能性が高いと指摘されています。フィリピン南部ミンダナオ島では、強権ドゥテルテ大統領が現地の過激派組織アブ・サヤフやマウテグループとの戦争宣言を発令。さらにアラブ諸国を国籍としたイスラム国戦闘員がミンダナオ島に潜入し、過激派の連帯を強めていることも確認されています。インドネシアの東ジャワ州スラバヤでは、イスラム過激派によるキリスト教会襲撃事件が発生。宗教対立を煽る事件が続きました。

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 中東・アジア地域を見るだけでも数えきれないほどの衝突が確認できます。こうしたテロや襲撃事件にみまわれた世界情勢を受け、国境・宗教・民族をこえた危機管理体制の連帯が地球規模で強まっていくと痛感しています。

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