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2002年08月05日

未来へ帰る

 皆さんは自分の未来をどう考えているだろうか。目標は立てた。計画も作った。でもいざ進んでいこうとすると、どうしても不安にかられてしまうのが常ではないか。今回はその不安を取り除くひとつのヒントを紹介したい。いや、できれば人に教えたくないので、こっそりと読んでほしい。

1.行ったことのない場所へ行くのは誰でも不安
「未来へ対する不安」――これは誰でも感じるものだ。それははじめての土地を訪れるときに感じる不安と似ている。たとえばガイドブックでみた東北の温泉宿に始めて行くとしよう。いったい時間はどれくらいかかるのか、どの道を行けばいいのか、目的地はどんな場所か…など不安はつきない。

 しかし、なんとかたどり着いたら、帰り道はだいぶ気が楽だ。帰る道もわかっている。時間の予測もたつ。来たことのある道を帰ることは簡単だ。なぜなら私たちの潜在意識が安心するからだ。

2.未来に対する考え方を変える
 
自分のきたる将来も、少し「もののみかた」を変えて、こんな風に考えてみてはどうだろうか。そこに初めて行くと思うから不安なのであって、帰っていくと思えば気が楽になる。「未来へ帰る」と考えるのだ。

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 そのためには、あなたは未来にすでに行っていなければならない。そんなことができるのか?答えは「できる」。それは、想像力を働かせて、自分の将来を明確にビジュアライズ(視覚化)することで可能になる。人の脳は、現実と、想像したことを明確に区別できない。体は同じように反応してしまう。この原理を応用し、将来の自分をできるだけ細かく、はっきりとイメージするのだ。すると、あなたはそこにいる自分を疑似体験できる。

3.ビジュアリゼーションは五感を使う
 方法を説明しよう。まず、ときを決める。2012年、2022年というふうに。そしてその時点でどうなっていたいか、自分の目標、将来のビジョンを描く。これはあとで変わっても構わない。そもそも変わらないものなど計画ではない。ビジョンはできるだけはっきりと。はっきりという意味は、自分の五感を使うのだ。どんな場所で仕事をしているか、どんな香りがするか。

 座っているイスの感触はどうか。そこにいる自分をイメージし、しばしそれに浸ってみる。どんな会話をしているだろう。相手は誰だろう…。自分の好き勝手に創作しよう。いや、しなければならない。ポイントは「普段自分が言ってはいけない、やってはいけない」ような大胆なことだ。それこそが、あなたのやる気を起こすビジョンとなりうるのだ。できればそのビジョンを書き留めておくとよい。たとえばこんな感じだ。

 「2012年。私はNYのオフィスで正月を迎える。東京に4ヶ月、NYに4ヶ月、パリに4ヶ月住むサイクルにもようやく慣れてきた。明日は東京オフィスと国際電話で打ち合わせだ。眼下にはセントラルパークが見える。年収は3000万を超え、時間にも余裕がある。雑誌の取材が来週に控えている。これからパリ、フランクフルトに向かい、ブックフェアに参加する予定だ」

 私はこれをカードに書き、財布の中にいれ、事あるごとに見ている。お金もかからないし、誰に迷惑をかけるわけでもない。しかも、これで日々ワクワクしていられるのだ。どんな日でも楽しい自分でいられる。

川村透

川村透

川村透かわむらとおる

川村透事務所 代表

「ものの見方を変える」という視点の転換を切り口に、モチベーションアップ、チームビルディング、リーダーシップ、コミュニケーション、問題解決など様々なテーマで講演、研修を行う。自身の体験と多くの研修・講演…

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