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2011年12月05日

責任感を考える(後篇)-どうすれば責任感が生まれるのか?-

前回に続き、責任感をもう少し考えてみましょう。最近の若い社員を部下にもつ中堅の人たちに話を聞くと、みな責任ととりたがらない、と嘆いています。何かの役割やタスクを任せようとしても「それは私の仕事ではありません」「なぜやらなくてはいけないんですか」という反応が返ってくることが多く「責任を負いたくない」「やり損」といったムードが伝わってくるのです。では、どうすれば、そんな若者たちに、責任感を持ってもらえるでしょうか。

責任感を、大きく二つに分けて考えると、ひとつは自発的なもの、そしてもうひとつは義務感からくるものがあります。自発的な責任感は、外部からの評価や見返りがなくても、自分が進んでやる思いのこと。その源は、自分の仕事そのものや会社に対する愛着心や忠誠心、また仕事をすることで自分が得られるものの価値の大きさなどからくるものですね。

自発的な責任感を育てるには、上司との信頼関係や、会社を好きになってもらうための様々な取り組み、またそれをすることで身につく経験などをアピールしたりすることが必要です。一方、義務感からくるものは、会社や上司から役割を与えられ、それをまっとうしないと、給料が減ったり、首になるので、自分の地位を守るためにやらざるを得ないものですね。

もちろん、全員が自発的な責任感を持ってくれれば言うことはないのですが、こうした啓蒙・教育活動は当然実施しながら、普段の仕事のなかで、会社に愛着を持てるような活動や、手を抜けないようなしくみ、またチェックシステムを利かせることが現実的には必要なのでしょう。

家族でよく出かける、あるファミリー向けのステーキレストランがあります。ここのサラダバーには、「今日のサラダバー担当、田中」のようなプレートがかけてあります。こうして周知の目にさらすことで、田中さんは自然と「サラダバーをきれいにしておかなくては」と思い、その仕事をするのでしょうね。

このように、あまり難しく考えず、まずはこうした遊び感覚の取り組みからはじめてみてはどうでしょう。たとえば社内のあちこちに「役割ボード」みたいのを壁にかけ、そこに「A社プロジェクトリーダー、○○さん」「営業企画アイデア推進リーダー、○○さん」のように書き込み、それをお互いにイジリあってみたり(チェックするというと、いやらしいので)。また、一人では責任を負いたくないのなら、ペアを作ってタスクを任せてもいいですね。上司と部下のペアで、コーチングしながら進めればよいのでは。いまの若い人たちに合った方法を探しましょう。「あいつら、子どもだ」と言って切り捨てていては、何も前には進まないのですから。

川村透

川村透

川村透かわむらとおる

川村透事務所 代表

「ものの見方を変える」という視点の転換を切り口に、モチベーションアップ、チームビルディング、リーダーシップ、コミュニケーション、問題解決など様々なテーマで講演、研修を行う。自身の体験と多くの研修・講演…

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