ご相談

講演依頼.com 新聞

コラム 教育

2013年10月21日

謙虚さのなかの存在感

 晴れた空が高く澄み渡り、さわやかな風に思わず背伸びをしてみたくなるような季節になりました。

 毎年この頃になると、道を急ぐ足を、ふと止める何ともいえない心地よい香りがどこからともなく漂ってきます。金木犀の香りです。

 金木犀は小さなオレンジ色の花で、花そのものは目立たない地味なものですが、その香りは何ともいえない懐かしい香りでもあります。普段は目立ちませんが、花が咲くとその香りでそっとその存在を教えてくれる謙虚な花でもあります。
花言葉は、「謙虚」「謙遜」「真実」まさにそのものですね。

 今の世の中は、それぞれが孤立し自分を守ることが精一杯で、他人を思いやる心が薄れ、「我が我が」と我を通す人々が多くなりこの「謙虚」という言葉は、とても貴重な言葉になっているように思います。

 大輪の牡丹や、優雅なバラの花よりも、姿より先に香りを放ち、自分の存在を静かに知らせる金木犀に、いつも人を重ねて考えることがあります。

 “自分は本物だ” “自分は・・・のスペシャリストだ”と自分で発する人を見ると滑稽に思ってしまうのは私だけでしょうか。

 本物といわれる人や物は、自分が前に出て吹聴しなくとも、その存在が醸し出す独特の表情や味わい、立ち居振る舞いそしてそこにただ佇むだけでも、人は気がついてその存在を探してくれるものです。
本物とはそういうものではないかと思います。

 地位や名声があることは立派なことではありますが、それを自分の利益のために使うのではなく、人のために使った時にその人の本質が見えてくるように思います。謙虚とは、徳の高さにも繋がるように思えてなりません。

 どこからともなく癒しの香りを放ち、人の心に郷愁を与え、その姿を思わず探したくなるような金木犀。人もそんな存在になれたら幸せですね。

 秋は豊かな実りの中で、私たち人間に色々なことを気づかせてくれます。
大自然が織り成す風景の中で、酷暑で疲れた身体を癒しながら心の実りに挑戦してみませんか。
“実るほど頭を垂れる稲穂かな”
この言葉、いつまでも大切にしたいものです。

春日美奈子

春日美奈子

春日美奈子かすがみなこ

フリージャーナリスト

國學院大學大学院法律研究科法律学専攻修士課程修了。報道畑25年の経験を生かし、少年院や教護院(現・児童自立支援施設)での実習を通し、常に現場の”今”や”生の声”を大切にして、少年問題に取り組んでいる。

  • facebook

講演・セミナーの
ご相談は無料です。

業界21年、実績3万件の中で蓄積してきた
講演会のノウハウを丁寧にご案内いたします。
趣旨・目的、聴講対象者、希望講師や
講師のイメージなど、
お決まりの範囲で構いませんので、
お気軽にご連絡ください。