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2014年07月25日

親子で作るネット利用のルール2

 前回のコラムでは、子どものネット利用のルール作りについて書きました。ただし、いくらルールがあっても「守れない」という場合が出てきます。講演会の質疑応答でも、参会者の方から「子どもがルールを無視して困る」、そんな声が上がります。

 そこで、守れない場合を想定し、「守れなかったときにどうするか」を事前に決めておきましょう。たとえば、1週間ネット接続を禁止するとか、家事を手伝うとか、お小遣いを減額するとか、なんらかのペナルティを設けておきます。

 その際、内容は子ども自身に決めさせましょう。いくらペナルティがあっても、それを実行できなければ意味がありません。

 もうひとつ大切なのは、ネット利用に「お金がかかっている」、そしてそのお金は「親が支払っている」としっかり教えておくことです。

 私は講演の中で「見える化」という言葉を使っています。要は毎月のプロバイダー料やスマホの通信料がいくらなのか子どもに伝え、そのお金は「親が汗水流して働いているから払える」とはっきり伝えるのです。

 携帯電話会社から送られる料金表を見せてもいいですし、銀行の通帳を出して毎月の口座引き落とし額を知らせてもいいでしょう。

 私が取材したケースでは、子どもの携帯利用料の支払い書を冷蔵庫のドアに貼っているご家庭がありました。1ヵ月にどれくらいの通信料や機器の分割代がかかっているか、きちんと子どもに開示していたのです。

 子どもたちはどうしても、「ネットはタダ」と思いがちです。ほとんどの場合、「定額制(一定の通信料を支払えば、それ以上の料金が加算されない)」を利用しているので、いくらSNSやゲームをやっても平気、そう安易に考えます。

 おまけにネットでは、音楽や動画、マンガ、占いなど「タダ」で楽しめるコンテンツが豊富にあるので、ついお金(ネット利用料)のことを忘れてしまうのです。

 親は毎日働いて、子どものネット利用料を支払う責任を果たしています。となれば、子どものほうも「ルールを守る」という責任を果たす義務があるはずです。
「見える化」によって、子ども自身が「ネット利用のお金は親が支払っている」ことを理解する、ここがとても大切。

別の言い方をすれば、「ルールを守らなければ、親は料金を支払わない」と子どもに自覚させればいいのです。「子どもがルールを守らない」と嘆いているご家庭は、「見える化」で子どもの意識を変えてみてはいかがでしょうか。

石川結貴

石川結貴

石川結貴いしかわゆうき

ジャーナリスト

家族・教育問題、青少年のインターネット利用、児童虐待などをテーマに取材。豊富な取材実績と現場感覚をもとに、多数の話題作を発表している。 出版のみならず、専門家コメンテーターとしてのテレビ出演、全国各…

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