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2012年12月14日

うちの子、家庭内暴力なんです・・

「先生、実はうちの子、家庭内暴力なんです・・」

しばらく黙られたあと、そのお母さんは切り出されました。その後、その子の生育歴や小学校の時は素直でいい子であったとか、そのようなことを話されました。
「先生に聞いてもらえて少し楽になりました。また相談に来てもいいですか。」
「もちろんです。お話をお聞きすることぐらいしか出来ませんけど。」

それから1ヶ月を待たずに相談に来られました。しばらく家庭内暴力の様子やその苦悩について語られたあと、こう切り出されました。

「私、レストランに行っても好きなものを注文できないんです・・」

よくお話を聞くと、奥様の食べられるものまでご主人が決めてしまわれるとのこと。「女は男の言う通りにすればいいんだ」そんな時代遅れも甚だしい男尊女卑のご主人でした。それからは、ずーっと夫婦の話です。家庭内暴力の相談で来られたはずが、そんなことはもうどこかに飛んでいったかのようです。

これは子どもが問題なのではなく、夫婦不調和が子どもの問題行動につながっているのではないか、 だとするならば夫婦関係のあり方こそ問題なのではないか。そんなふうに見えてきました。

それからまた1ヶ月。再び相談に来られたお母さんは、はじめから夫婦の問題について話し出されました。そして、少し間をおかれたあと、こう話し出されました。

「先生、これは何も私に始まったことではないのです。お姑さんもお舅さんにはずいぶん苦労されたそうです。」

お話を詳しくお伺いすると、何世代にもわたってそのお家では男尊女卑の考えが受け継がれてきたようなのです。こういった代々受け継がれていくその家庭特有の歪んだ価値観を「家系のゆがみ」といいます。その「家系のゆがみ」を正すかのようにその子は暴れているのでした。もちろん暴れている本人はそんなこと考えたこともなかったでしょうが。
 
無意識ではあっても、この子は身を以てこの家を変えようとしているんだ、そんなふうにも見えてきました。

この子の家庭内暴力に手を焼かれたご主人は、奥様と一緒に相談に来られるようになりました。色々とお話しされるうちに、ご自身のことを振り返られ、男尊女卑の考えを改められ、夫婦仲も改善していきました。不思議にもそれと同調するかのように家庭内暴力もおさまっていきました。

子どもの問題は、ときに親自身が変わる節目に起こることが少なくありません。そのメッセージを受け取って、自分自身のあり方や夫婦関係のあり方を見つめ直してみるなら、そこには「より幸せな解決」があるように思います。

長谷川満

長谷川満

長谷川満はせがわみつる

家庭教師システム学院

30年以上多くの家庭教師を指導すると共に、 自らも家庭教師として子どもの自信回復と意欲を引き出す学習指導を実践。「やってみせて、やらせてみせて、ほめて伸ばす」指導で多くの子どもたちの成績向上に…

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