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コラム 人権・福祉

2014年11月20日

世界の宗教という存在力

 世界に足を向けるとよくこう聞かれます。「あなたの宗教はなんですか?」 日本では仏教を信仰している方が多いのですが、実際に自らが敬虔な仏教徒であると日々認識している方は少数であると感じます。 世界の国々では、この宗教という存在が生きる糧、人生そのものであるととらえることが実はごく普通のことであります。

 

 世界にはキリスト教やユダヤ教、イスラム教、ヒンドゥー教やコプト教など、様々な宗教が存在しています。そしてそれぞれの宗教がもつ考え方や感じ方がそこで暮らす方々の生きる力、心の支えとなっています。道徳や慣習、生活規範、教育など、宗教の影響がはっきりとすべてに表れています。宗教という存在が絶対であり、敬虔な信仰をするがゆえに、宗教間での衝突がおこってしまっている現実もあります。 。

 

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 インドでは国民の多数がヒンドゥー教を信仰しています。そして日々の生活そのものがヒンドゥー教の教えに沿った暮らしを送っています。多数の神様を崇拝する多神教の規範、輪廻と呼ばれる来世の考え方、アルコール摂取を禁じ、家族を大切にすること、そして聖なる河ガンジス河での沐浴など、様々なしきたりが生活の大部分を占めています。インド東部の街で沐浴をする青年に出会いました。川縁で髪の毛を剃りあげて、大河で体を清め、手を合わせ祈ります。川縁にはガートと呼ばれる階段式の沐浴場が至る所に設けられていて、老若男女年齢を問わず、一日中祈りを捧げていました。祈ることが毎日の義務ではなく、自然の摂理のような存在でありました。

 

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インドに限らず、世界に足を向けると、この宗教の存在を考えさせられます。 日本の常識とは大きく異なる考え方に遭遇したとき、外国人としての振る舞いがどこまで許容されるのか悩まされることがあります。それぞれの国がもつ宗教観やそこからつながる文化に敬意を払うことが、日本から離れたとき気を配る最初の入り口ともいえるのかもしれません。多様性という意味は宗教の存在から気づかされると感じました。

 

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渡部陽一

渡部陽一

渡部陽一わたなべよういち

戦場カメラマン

1972年9月1日、静岡県富士市生まれ。静岡県立富士高等学校 明治学院大学法学部卒業。戦争の悲劇とそこで生活する民の生きた声を体験し、世界の人々に伝えるジャーナリスト。 世界情勢の流れのその瞬間に現場…

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