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コラム 人権・福祉

2020年05月15日

新型コロナウィルスと過激派組織イスラム国

新型コロナウィルス感染拡大

 世界規模での新型コロナウィルス感染拡大が続いています。アジア地域、欧米諸国はもちろん中東・アフリカ方面でのさらなるパンデミック(世界規模での感染爆発)の脅威が迫っています。

特に中東に関してはシリアやイラクでの政情不安や内戦による医療崩壊の現状は混迷を深めており、各国からの医療支援の連帯が爆発的感染の揺れ幅を押さえ込むことができるのか手探りの状況が続いています。

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過激派組織イスラム国(IS)のテロ攻撃拡大

 新型コロナウィルスの感染が深まる中、同時進行するかのように過激派組織イスラム国(IS)のテロ攻撃が拡大を見せてきています。

2014年6月に建国宣言を行ったイスラム国は、有志連合軍の掃討作戦によって壊滅状態となり各国に戦闘員が分散。欧州やアジア地域でイスラム国に関わる人物のテロ攻撃が相次ぎました。

最高指導者バグダディーはアメリカ軍の特殊部隊の作戦の最中に自爆死を遂げ、新しい後継者にアブー・イブラヒム・ハシミ・クラシが就任。イスラム国の象徴としてテロ攻撃の正統性を訴えています。

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治安悪化・抑止力の低下

 新型コロナウィルス感染拡大により各国の国軍兵士は兵力削減を強いられており、治安の悪化や反政府活動の歯止めとなる抑止力が機能していません。

中央政府の汚職問題や経済格差、貧困の広がりは各国での暴力的反政府デモを引き起こしていますが、防護壁となる治安部隊の存在は実行力を伴わないものとなっています。

イスラム国はこうした背景を逆手に取り統治能力の空白となった地域でテロ攻撃を繰り返し、支配領域の拡大を目指しています。

実際にイラク北部での治安部隊への攻撃や自爆テロによる犠牲者が増加するも、イラク国軍側は新型コロナウィルス感染の影響でテロを押さえ込む完全な兵力を確保できない現実を突きつけられています。

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日常生活の崩壊によるテロの拡大

 こうしたテロの拡大はイラクに限らず、隣国のシリアやエジプトでも過激派の活動が目立ち始めており、分散していたイスラム国の実態が再び浮かび上がってきました。

政権への嫌悪感や貧困の苦しみにさらされる若者たちが、再びイスラム国に傾倒していく懸念が高まっています。

2014年の建国宣言の折には世界中から同じ境遇に立たされる若者たちが戦闘員としてイスラム国に参入。中東地域で過激派の薫陶を受け、各々の祖国に戻りテロの連鎖を担っていきました。

新型コロナウィルスの影響は各国の外交政策をリセットしてしまっており、国民の不安や恐怖心が高まりを見せています。イスラム国は日常生活の崩壊がテロの原動力となり得ることを理解しています。イスラム国は壊滅していない。この現実を再確認しておくことが問われています。

渡部陽一

渡部陽一

渡部陽一わたなべよういち

戦場カメラマン

1972年9月1日、静岡県富士市生まれ。静岡県立富士高等学校 明治学院大学法学部卒業。戦争の悲劇とそこで生活する民の生きた声を体験し、世界の人々に伝えるジャーナリスト。 世界情勢の流れのその瞬間に現場…

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