質問の効果
前回は、“頷き”“相槌”“繰り返し”という聞くサインについてお伝えしました。今回は、これも大切な聞くサインである“質問”について考えていきます。
“質問”ができるというのは、何よりの「聞いている」という表れです。というのも、聞いていない話には質問などできませんから、質問ができている時点できちんと「聞いている」ということが相手に伝わります。ですから、程よい質問がある会話ほど弾んでいきやすくなります。
質問の主な効果は大きく3つ挙げられます。
- 内容や認識のズレを修正できる
- 内容や認識をより掘り下げることができる
- 相手の思考や行動のきっかけを作ることができる
ということです。質問することで、もし認識に違いがあってもそこで修正し、共通理解を深めることができます。例えば「車が苦手で」と言っている相手に、「酔ってしまうということ?」と質問すれば、「そうじゃなくて、車の運転が苦手なの」と認識を揃えることができます。もし質問していなければ、相手は運転のことを言っているのに、こちらは車酔いのことだと、ズレた理解をしてしまうこともあり得ますよね。
さらに相手の言っていることに対して、「免許はいつ取ったの?」「どうして苦手だと思ったの?」「なにかきっかけがあったの?」「どういうところが一番苦手?」等の質問を投げかけることで、深掘りができていきます。
さらには、「もし、自動運転の車だったら?」などの質問をしたら、また違う発想や考え方が聞くきっかけになるかもしれません。
どんなタイミングでどんな質問をするのかが、会話の流れや質を変えていくと言うこともできます。ただ頷いて相槌を打って「うんうん」と聞くことに終始するだけではなく、質問のバリエーションも持っておくと、会話はより楽しいものになっていきます。
質問の種類
では、具体的に質問にはどのようなものがあるかというと、目的によってたくさんの種類があります。例えば下記のような質問があります。
- OPEN質問 →話を広げる(「はい」「いいえ」で答えられない聞き方)
- CLOSED質問 →話をまとめる(「はい」「いいえ」で答えられる聞き方)
- 過去質問 →過去のことを聞く
- 未来質問 →未来のことを聞く
- 目的質問 →目的、狙い、理由、背景を聞く
- 手段質問 →手段、方法、具体策を聞く
- 否定質問 →ひっかかっていることを聞く
- 肯定質問 →望んでいることを聞く
- 外面的質問 →事実を聞く
- 内面的質問 →感情を聞く
- 当て馬質問 →仮説を立てて聞く
- 仮定質問 →制約条件を外して聞く
- 選択肢質問 →選択肢を提示して聞く
- 数値化質問 →数値化して聞く
何を聞こうとするかによって上記を組み合わせていくと、様々な角度から情報を聞くことができます。どの質問も良い質問になりやすいものですが、特にまずは「OPEN質問」と「CLOSED質問」を意識して取り入れていくと、会話が弾みやすくなるのでおすすめです。
OPEN質問
会話を広げていくのに最も適しているのが「OPEN質問」です。これは「はい」「いいえ」ではなく、言葉で答えてもらうような聞き方で、言葉が返ってくる分だけ情報が引き出せる質問法です。
例えば、東京出身者に「ご出身は東京ですか?」と聞けば「はい」と返ってくることになりますが、「ご出身は東京のどちらですか?」と聞けば、「東京都〇〇区です」と言葉が返ってきます。言葉が増えれば知れることも増えますよね。
「OPEN質問」を考えるコツは2つあります。
- “ど付き言葉”で聞く
- “何(What)”を聞く
“ど付き言葉”とは、文字通り、“ど”を付けた聞き方をするということです。「どこで・どのように・どなたが・どうして・どうやって」など、“ど”から始まる聞き方には「はい」「いいえ」だけでは答えられないものが多いので、自然と「OPEN質問」になります。
“何(What)”を聞くとは、「なにが・なにを・なにに」といった“なに”の部分を中心に聞くということです。これも、「はい」「いいえ」では答えられない内容なので、具体的な言葉を引き出すことができます。
CLOSED質問
「OPEN質問」が話を広げるのに最適とお伝えしましたが、だからといってずっと「OPEN質問」ばかりでは会話が終わらなくなってしまいます。ある程度会話が進んだら、しっかり「CLOSED質問」でまとめた方がスッキリします。
「では〇〇ということでよろしいでしょうか」「じゃあ、これでお願いできますか」「ではこれで進めましょう」など、最後は相手からしっかり「はい」を引き出してから終わらせられると、会話全体がきちんとまとまりますよね。
「OPEN質問」でなるべく広げて、最後は「CLOSED質問」で終わらせる。そういう意識をしっかり持っておくことで、質問ももっと効果的で有効なものになっていきます。
とはいえ、会話は台本通りに進めるものではありませんから、あくまでも自然体であることを前提に、質問のバリエーションを増やしてもっと相手を知り、関係性を深めることに役立てていきましょう。


山本衣奈子やまもとえなこ
プレゼンテーション・プランナー
<ご本人からのメッセージ> 私は大学時代は演劇を専攻、在学中にイギリス・ロンドン大学のドラマ科に留学しました。演劇というと、ストイックな役作りや身体表現をイメージされることが多いのですが、演劇は総合…
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