2015年05月20日

女性活躍推進には男女を超えた適材適所が必要

女性活躍推進に取り組む企業は、益々増えています。弊社も日々、ご相談を受けるのですが、取り組むことの意味を一緒に考えさせていただくこともあります。もっとも考えておかなくてはならないことは、ゴールイメージです。この取り組みをやった結果、どのような組織になっているべきなのか、のあるべき姿です。

現段階では、女性活躍推進に取り組む企業の多くの課題は、「女性がもっと活躍できるような組織作りと意識改革」です。女性が更なるチャレンジをしようとする意欲はもちろんですが、それを支援する周囲の協力、男女平等にチャンスが与えられる風土づくりは欠かせません。

まだ男女の違いを見極めて、役割を与えることも大事ですが、ダイバーシティの観点で言うと、男だから、女だから、を超え、個人の持っている能力の差、やりがい、得意分野を見極めて、適材適所のアサインをしている将来を目指していくことが重要です。おそらく、それがゴールイメージではないでしょうか。

さて、違いを見極める、という点ですが、実はここが日本人の私たちには大きな課題なのかもしれません。今までの日本の評価は、すべてに対して平均的に優れ、バランスよくできること、でした。しかし、違いを見ていくと、本来はある一方向には優れているが、もう一方向は全くだめ、という差があるはずです。

たとえば私自身ですが、何かを繋げてアイデアを出すデザイン力は高い方だと思いますが、それを細かく落とし込むことが苦手です。そのため、後者は得意な人にサポートしてもらいます。話は戻りますが、今までの日本の評価は、一通りの流れを一人がちゃんとできて一人前、でした。そのため、「こっちはいいんだけど、こっちができないから、出来ない方を克服しよう」なんてことを評価面談でフィードバックされます。一人で全部を抱え込み、やりきろうとするから、時間が掛かり、残業は減りません。分業がしづらい仕組み、と言えるでしょう。

このように、組織全体の評価にも課題があると思いますが、本人自体も自分の強み、弱みを把握できていないケースが多いように感じます。

女性のキャリア相談に乗っていると、ご自身に合わない仕事内容で四苦八苦されている方に度々お会いします。特徴的なケースは「事務職」です。女性はサポート職や細かい仕事が得意、あるいは、事務しかできないから、といった理由でその仕事をアサインされたり、自ら選んだりしていることがあります。しかし、お分かりかと思いますが、女性がみんな事務的で、縁の下の力持ちとしてのサポート役が得意か、というとそんなことはありません。現に私も、まだ世の中が「女性=一般職」の時代という背景もあり、新卒では何の疑問も持たずに事務職をめざし、採用されました。しかし、しばらく仕事を続けるうちに、他の女性に比べると能力が明らかに低く、やりがいを感じられず、辛かったのを記憶しています。そんな簡単なこと、と思われるような内容も自分には難しかったのです。事務って才能がいるんだ、と感じました。その後、転職をして、営業という仕事に出会ったのですが、最も避けたい分野だったはずなのに、やってみたら性に合っていたことに遅まきながら気付きました。その経験は、今の仕事に繋がりました。

キャリア相談でも、昔の私と同じ状態に陥っている人に度々お会いします。しかし、そういう方は、今の仕事で評価されていないのに、まだ頑張ろうとするのです。思い切って職種転換してみることもおすすめなのですが。

このようなミスマッチを解消するためには、

1.組織の中で得意分野を活かせるキャリアチェンジ制度などが柔軟である
2.上司が部下の強み、弱みをきちんと理解し、強みを伸ばす指導をする
3.本人自身が強み、弱みを理解し、受け入れ、強みに自信を持つ

こういったことが必要ではないでしょうか。

まずはダイバーシティの第一歩として、男女の違いをお互いが知った上で関わるところから取り組んでいる現状ですが、将来的にはもっと多様な人たちが増えるので、上記3つを意識していくことが必要です。