第3回「若い人たちの考え方」
これまで仕事や個人的なつながりを通して若い世代の人たちと接してきましたが、私なりに感じている彼らの特徴がありますので、それらご紹介したいと思います。また当然ながら人は皆違い、ひとくくりにこうだとはできません。現に若い人でも、昭和の価値観を見事に引き継いでいる方もいます。なので、今回の内容は、上司世代の方々が彼らを理解するうえでひとつの見方としていただければ幸いです。
タイパ意識の強さ
彼らは無駄を嫌います。ズームやラインで事足りる以上、どうしてわざわざ足を運んで対面しなくてはいけないのでしょうか。「あったほうが思いが伝わる気が…」というのは古い考えなのかもしれません。延々と続く無駄な会議、まとまっていない上司のプレゼン、意味のない社内行事などには毛頭付き合う気もありません。
おすすめの対応→
ここは若い人に準じ、私たち上の世代もタイパを意識すべきですね。昭和の時代はこの点少しのんびりしすぎていたかもしれません。IT技術を活用し、無駄を省いていくべきでしょう。ただ、ここぞというときにはあえて対面の場を作り、しっかり思いを伝えてもよいと思います。会うことに意味があるというメリハリが大切ですね。
変な自信がある
上司からみたら、まだ経験している年数も場数も少ないのに「大丈夫です」といってアドバイスを聞かない―こうした声をよく耳にします。皆さんの周りにもいらっしゃいませんか。この変な自信はどこからくるのでしょうか。ひとつにはまず「弱い自分をみせたくない」というプライドがあると思います。「知らない」と思われたくないから、強がってそう答えてしまうのでしょうか。また誰かに聞くより自分でグーグルで調べればいい、という自負もあるでしょう。また一度うまくいっただけで満足してしまう。上司がみれば、それはたまたまうまくいっただけで、いろんな条件が変わったり、予期しないことが発生した場合は対処しきれないのに…といった心配が伝わらないのですね。
おすすめの対応→
こうした相手には「じゃもしこうなったらどうする?」「この場合AとBの対応、どちらが正しいと思う?」など、相手に考えさせる問いかけをしてみるのが良いかと思います。でも一番は本人がそれを経験することなんですが、危険すぎてそれができない場合は、そうした疑似体験をする研修やゲームなどを設けるのも良いアイデアです。
自分が悪いと思わない
これもよく聞かれる悩みです。何かトラブルが起きたとき、それが自分の責任だと感じる能力がないのか、責任を回避するためにそう言っているのか…。でも明らかにその人の責任なのに「自分は言われていない」「すべきことはやった」「私の範疇ではない」という発言を平然とする人たちがいます。
おすすめの対応→
これは少しばかり厄介です。上司世代の人たちと、仕事に対する思いが少し違うのかもしれません。まず𠮟りつけても効果はありません。かえって聞く耳を閉じさせ、防御態勢に入ってしまうだけです。こうした場合は、冷静に事実を詰めていくことです。「こういうことがあって、これが起きたよね」「ここで君の役割は何だった?」「もしこうすれば何が起こった?」のように、相手を責めるのではなく、判断や行動のどこが違っていたか、そこを本人が受けとれる形で提示することが必要ですね。そして相手を責めるのではなく(責めたい気持ちはよくわかりますが)、共に問題を解決していこうという姿勢を見せることが大切。相手も、自分が叱られるんではなく、一緒にサポートしてくれるんだという気持ちを感じたら、少し改善しようという方向に進んでくれるはずです。
世代によって、それぞれの考え方も違います。それはそのときの時代の価値観や経済情勢にも左右されますよね。上司世代の私たちも、考え方が違うと最初から切り捨てずに、彼らの考え方を理解できるよう寄り添うところから、お互いのよい関係づくりは始まるはずです。悟りを開いた気持ちで(笑)、寄り添っていきましょう!
川村透かわむらとおる
川村透事務所 代表
「ものの見方を変える」という視点の転換を切り口に、モチベーションアップ、チームビルディング、リーダーシップ、コミュニケーション、問題解決など様々なテーマで講演、研修を行う。自身の体験と多くの研修・講演…
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