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2005年10月01日

やりたいことをみつける方法

かつて『人生でやりたいこと』を100項目考える作業に3日間かかったことがありました。「子ども関連のベストセラーを出す」「スピーチが可能な英語力をつける」「年に一度は海外旅行に行く」「ドラマをつくる」……など思いつくこと全てをノートに書き出すのですが、40項目あたりで私の手はピタリと止まってしまったのです。自分はなんて願望のない人間だと初めて気づかされた瞬間でした。

それから街に出ても「あれもいいな」「こんなことがしたかったかも」と見えてくるものが随分と違ってきて、ノートを何回も何回も書き直しながら、ようやく100項目が埋まりました。多分、書き始めた頃は大雑把に考えすぎていたのかもしれません。旅行に行きたいとか、海外に住みたいとか。

でも、そういうひとつひとつの気持ちを「英語を明日から勉強しなおす」、「パリにアパルトマンを買う」「パリのアテネプラザで執筆活動をする」「英語で子育て関連の講演をする」などパリということは「フランス語を勉強する」など追加したりしながら、連想ゲームのようにじっくり細分化していくことで、より具体的にやりたいことが見えてきました。

それにしても、なぜ私がこんな作業を始めたのか説明しなければなりませんね。きっかけは、ロバート・ハリスさんの著書「人生の100のリスト」(講談社)を手にしたことでした。人生でやりたいことを100項目リストアップするという方法は本書で紹介していることですが、19歳でリストを書き始めたハリスさんは「ここに書き記した半分以上の夢や願望を実現することができたんだ。このリストはいつでも書き換えていて、常に増えているんだよ。あれから30年経ったけど、今は103個になってしまって」とおっしゃっていました。

本のなかには「武道の黒帯を取る」「映画で殺し屋を演じる」「ブックショップを開く」など、さまざまなハリスさんの願望が詰まっているのですが、その多彩なスタイルといったらない!

歳をとることをこんなに楽しんでいる人がいるんだなと本当に脱帽しました。ハリスさんは、波乱万丈で破天荒な方なので、「外人モデルと付き合う」とか「ヌードモデルをしてみる」などちょっと普通では想像を絶することも願望に上げていますが、それは予断として、人生で何かを強く望み、そのことで生まれるエネルギーを信じて追い求める毎日も素敵だなと感じたのです。

以来、私は自分のワークショップで、さまざまな方にこの”人生の100のリスト”作成を勧めています。できることなら「好きなことだけやって一生暮らしたい」と思っている人は多いと思います。けれど現実問題、やりたいことって、せいぜい10個や20個だったりするのですよね。だから自分は何をしたいのか、何に関心があるのか。私はそういう心の対話を生涯サボることなく生きたいなと思うのです。

特に女性はやりたいことを考えるとき、どうしても自分のこと、家族のこと、美容や健康に関わることに偏ってしまいがちです。はじめはどうしても反省を込めた目標や現実的なことしか書き出せず、読み返しては悶々としたりするでしょう。

でもどうせ書くなら、少しでも希望が持てるような内容にしたいものですよね。私も社会貢献やお金のこと、社外活動、毎日の習慣の見直し、レジャー、学習の目標など、細かくジャンル分けして考えることで、ようやくバランスのとれた『人生の100のリスト』を完成させることが出来ました。

しかも思いがけないことがあるものです。リストに「アカデミーのレッドカーペットを踏む」と書いてから、初めてお願いする美容室のスタイリストさんに「私の顔に似合うようにしてください」とオーダーすると「ゴージャスでセレブな感じがいいんじゃない?」と提案されたのです。これにはさすがに驚きました。自分が望んでいることが、自然に周りにオーラになって伝わっているのでしょうか?

そしてリストを作成してから出会う人や人生観まで変わってきたように感じます。また同じような感想を聞かせてくれた女性もいらっしゃいました。私が主宰する子育てセミナーに参加してくれた彼女は、やりたいことが整理できたことで、ご自身のブログにこんなことを書いていました。

私を覆っていたカプセルにヒビが入ったような気がしました。「昔の私が好きだったこと、あきらめたこと」そうそう!いっぱいあった好きなこと!隠したからって誰も本当のお友達になってくれなかった。隠したからって好きな気持ちは変わらなかった。これからは勇気を出して、好きな気持ちを伝えてみようかな。そう決めたら、なんだか楽しくなってきました。

そう、自分の心の声に耳を傾けることは、あなたの未来を創り出す作業であり、ご自身の本当の気持ちに気づくことにもつながるのです。だから何でも正直にリストに書き込んでみてください。自分の思考パターンや理想とする生き方が少しずつですが分かってくると思います。

やりたいことに虚勢を張っても仕方ありませんし、人目を気にする必要はありません。たまにはリラックスした気分で、あなただけの「人生の100のリスト」を作ってはいかがでしょう。

次回は、「ポジティブになれないってダメですか?」をお話ししたいと思います。

末木佐知

末木佐知

末木佐知すえきさち

こどもみらい塾 代表

学習院女子短大卒業後、三菱商事に入社。在職中に人脈を広げ、退社後に一流企業OL500人以上をとりまとめ「丸の内OL研究所」を設立。女性のネットワークを構築する。自らも結婚・離婚・起業・高齢出産、未婚マ…

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