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コラム モチベーション

2013年11月15日

新しい動機付け要因―周りからの承認

第1回『モチベーションの中身』では、「モチベーションには内的なものと外的なものがある」と書きました。外的なものとは、報酬や地位といった、外から与えられる具体的なものです。一方、内的なものとは、自分の内面から湧いてくる思いで、「思う通りの製品を作りたい」「自分の理想に近づきたい」というたぐいの動機です。

もちろん社員全員が、自ら「よしっ自分が決めた目標に向かって頑張るぞ!」となれば、こんなに素晴らしいことはありません。しかし現実問題、そういった社員はほんの一握り。みな、何らかの打算(多くはお給料という報酬)によって働いている、というのはうそ偽らざる状況でしょう。

しかし最近、この外的でも内的でもない、新たなモチベーション要因が注目されています。それは「周りからの承認」です。多くの企業で、実際この要因に着目したしくみが実践されています。東京ディズニーランドの「スピリット・オブ・東京ディズニーリゾート」(キャスト同士がお互いを褒めたたえる)、第7回でご紹介した株式会社JR東日本テクノハートテッセイの「エンジェルレポート」(コツコツと地道に頑張る人を褒める)という取り組みなどがその一例です。

kawamura_201311-1.pngなぜ、これらはうまくいくのでしょうか。それは、人の欲求に合っているからです。多くの方がご存知の「マズローの欲求五段階説」によると、人はまず、食べて寝るという生理的欲求がありますが、それが満たされると、次は身を守りたい(安全)、どこかの組織に帰属したい(帰属欲求)、そして周りから承認されたい(社会的欲求)と、どんどん欲求レベルが上がっていきます。そして最後には、自分が定めた理想の自分に向かって突き進みたい(自己実現)、となるわけです。

しかし、最近は「出世とかには興味ない。むしろ仕事はほどほどにして、自分の時間を大切にしたい」とか「組織の一員として受けいれられたい」というような社員が増えてきました。

彼らはバリバリ自己実現、というより、もっとゆる~い感じ。そんな彼らの姿勢にピッタリはまるのが、帰属欲求と社会的欲求なんですね。人はだれでも、自分が属する組織の一員として認められたい、そして周りから尊敬や称賛を受けたい、という思いはあるものです。そこに着目して「あなたはここにいていいんだよ」「あなたはなくてはならない存在ですよ」というメッセージを、できるだけ多く出す。そうすると、人のなかに組織に対する安心感が芽生えます。それができたら、次に人を認め、承認する機会を意図的に増やすのです。

次回は「”人が動くしくみ”―その事例」をお送りします。その中で職場で実践できるアイデアもいくつかご紹介します。どうぞお楽しみに。

 

川村透

川村透

川村透かわむらとおる

川村透事務所 代表

「ものの見方を変える」という視点の転換を切り口に、モチベーションアップ、チームビルディング、リーダーシップ、コミュニケーション、問題解決など様々なテーマで講演、研修を行う。自身の体験と多くの研修・講演…

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