2013年05月15日

モチベーションの歴史

ここで少しモチベーションがどう考えられてきたか、その歴史についてみておきましょう。

原始の時代、狩猟をしていた人間たちは、生きるためには獲物をとり、また外敵や気候から身を守る必要がありました。これが一番のモチベーションでした(生存・安全の欲求)。

次にイギリスで18世紀後半に産業革命が起こって以来、工場ができ、そこで働く労働者が生まれました。しかし、何も管理をしないと、人は勝手に動き、生産効率も上がらなかったため、経営者たちはなんらかの方法で労働者たちを管理する必要にかられます。ここで登場してくるのが科学的管理法と呼ばれるものです(1900年ごろ)。これは、人をいわば大きな機械の歯車とみなし、決められた時間内に決められた作業をし、それができたものには報酬を、できなかった者には罰を、といういわゆるアメとムチによる管理です。

これが2番目のモチベーションです(外的な報酬)。

このアメとムチによって人を管理しようという考えは、それ以降ずっとマネジメント論の主流となり、21世紀の現代においてもなお、給料やタイムカードによって人を管理する方法は続いています。

ところが最近、それ以外のモチベーションによって人を動かそう、という動きが出てきました。それは人の自主性、創造性に着目したものです(内的な動機)。

アメリカの経営学者ダグラス・マクレガーは、1960年代にX理論Y理論というものを提唱しています。X理論は、人は元来怠惰なものであるから、働かせるには管理が必要という考え。一方Y理論は、いや、人には元々自主性、創造性が備わっており、そこに火がつけば、ひとりでに動いてくれる、というものです。最近多くの企業で実践されているコーチングや20%ルール(一日の勤務時間の20%を自分のやりたい仕事に使ってもよい)などは、このY理論に基づいたものです。

さらにもうひとつの流れとして、「周りからの承認、尊敬」という新しいモチベーション要因も注目されています。これは、仲間の前で、その人の努力や感謝を認める機会を多く作ることでやる気を高める、というものです。人には、周りから認められたい、人から尊敬されたいという欲求があり、そこにスポットを当てた方法といえます。ディズニーランドやリッツカールトンホテルで行われている、スタッフ同士でよい仕事や助けられた経験などを認め合い、シェアするといった活動がその例です。

こうしてみると、理想的には、Y理論のように、人がもっている自発性を引き出せればいいのですが、なかなか現実には難しく、そこを補うために外的な報酬や規則(アメとムチ)、周囲からの賞賛を取り入れている、というのが実情のようです。


<現代におけるモチベーションの3大要因>
・外的報酬
・内的動機
・周りからの尊敬



さて、次回は成果主義についてお話します。