管理職の方々にとって、働き方改革とはいったい何なのでしょうか。労働時間短縮、生産性向上…。言葉は踊りますが、制度の前にまずは考え方を変える必要がありそうです。
- 【働き方改革~管理職編】
- ・恐怖政治から民主政治へ
- ・「考える」から「考えさせる」へ
- ・生産性アップの種をまく
恐怖政治から民主政治へ
2018年度は、レスリング、アメフト、ボクシング、体操と多くの団体のパワハラ問題が噴出しました。まさに時代の流れかと思われます。多くの組織で見られるのが「老害」。かつての実力者が高い地位にとどまり、まわりが怖くてモノを言えない状態。彼らの多くがとっている方法は、「恐怖政治」。つまり、自分の言うことを聞かないと、権力を振りかざして脅す、冷遇するなどの行為を行い、周囲の人たちが何も言えなくなっています。
50代の管理職の皆さんは一度胸に手を当てて考えてみるべきです。少なからず自分の存在が、まわりに遠慮や過度な配慮をさせていることに気づくべきです。もっとも本人が気づいていない、あるいは誰も言えないケースがほとんどですから、外部の力を利用して伝えてもらうか、本人が聞き入れる人を見つけ、その人に伝えてもらうなどの工夫は必要になります。
「考える」から「考えさせる」へ
管理職の仕事は、チームとしてのアウトプットを高めることにあります。プレイングマネジャーは別として、自分で仕事を抱えていては、チーム全体の生産性を上げることは難しくなってきます。自分ですべて考えるのではなく、部下に考えさせる、その段取りを身につけましょう。
仕事を任せ、放りっぱなしの上司がよくいますが、適宜レビューポイントを設け、フィードバックをして軌道修正をしながら見守る必要がありますね。「ここはこうしてね」というだけでなく、「どうしてそれをする必要があるのか」という理由をしっかり説明すると、相手は納得しやすいものです。
相手に考えさせるには、自分の考え方のしくみを伝えたり、相手にまずやらせてみて、なぜその行動をとったかを聞いてみたり、相手にアイデアを求めたり、いろいろな方法があります。ゼロから自分で考えるのではなく、相手に投げて、相手のベースに修正を加えていくイメージがあるとよいかもしれません。
生産性アップの種をまく
自分の職場の生産性を上げるためには、管理職がすべてを考える必要はありません。管理職がすべきは、考えるべきポイントを列挙するところまでで、そのあとの各プロセスについては、現場の人たちに効率化のポイントを考えてもらえばよいのです。
変なプライドがあり、「それは上がすべき仕事だ」と言って抱え混んでしまう人が多いですが、部下に自主性を持たせるためにも、早い段階から部下を巻き込んだほうがよいのです。たとえば「会議の進め方」について、改善の余地があるようでしたら、そのテーマを部下に投げて考えさせてみましょう。そうすることで、彼らの業務に対する意識も変わってくるものです。
大切なことは、こういう議論の結果、上がってきた改善点は、できるだけそれらを実行するようにしてください。でないと、現場の人たちも「どうせ挙げても実行されない」と思い、モチベーションが低下していくからです。
「場づくり」ができるか
今の時代において、管理職の役割はより難しくなってきているように見えますが、個人的には、ファシリテーター型リーダー、「場づくり」ができるリーダーがいまの人たちは合っているように感じています。強引さというよりもしなやかさ、ひっぱるよりも支える、引き出すタイプの管理職がいまの若い人たちには合っていると考えています。
次回は「さまざまな働き方について」をお送りします。どうぞお楽しみに。
川村透かわむらとおる
川村透事務所 代表
「ものの見方を変える」という視点の転換を切り口に、モチベーションアップ、チームビルディング、リーダーシップ、コミュニケーション、問題解決など様々なテーマで講演、研修を行う。自身の体験と多くの研修・講演…
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