「ネイルの世界」からの流行

　11月20日、21日と東京ビッグサイトにて開催されたTOKYO NAIL EXPO。日本ネイリスト協会理事からのご招待を受けて、5万人以上が集まるネイルの祭典に参加してきました。

　着いてみると、すでに入口には開場を待つ長蛇の列・・・・・。ネイリスト、ネイリストを目指す学生、ネイル業界関係者と90%以上が女性で、コンペティションもあるせいか、その熱気はジャニーズのコンサート会場にも負けるとも劣らないすごさ。今や、若い女性にとってネイリストは憧れの職業であり、ネイルにまつわるビジネスとともに、そこから生まれるライフスタイルファッションとビューティの勢いを感じずにはいられません。

　会場を一周しながら、全国から何万人単位で集まってくる「ネイル女子」を徹底分析。午前中いっぱい取材していくうちに、彼女達に共通しているファッション、ビューティの傾向が大きく2つわかってきました。

　まずひとつは、お姫様系の可愛いをこよなく愛するドーリー系。明るめの巻き髪にお人形さんのようなつけまつ毛、フリルやレース使いの洋服に、差し色のピンクが目立っていました。もうひとつは、モード系のエッジが効いた大人カジュアル派。髪はストレートやボブスタイルが多く、メークはラインを効かせたMac系。黒ベースの洋服にショートパンツを合わせている女のコが圧倒的でした。

　普通、女性を見ると読んでいる女性ファッション誌が想像出来るものですが、この会場では雑誌名ではなく「ネイリストスタイル」がはっきりとわかりました。

　それは彼女達にとって、数々のメディアにも取り上げられている有名ネイリストが憧れの存在であり、エレガント系の「黒崎えり子」や、モード系の「高野尚子」風がお手本になっているからです。少しでも彼女達に近づきたいという想いから、ファッションやビューティもそこに向かっているのだと思います。

　メンズネイルの市場も出てきたとはいえ、まだまだお客様もネイリストもほぼ女性の世界。そこには、女同士ならではの強烈な憧れや嫉妬もあり、業界で名をあげるべく、熾烈な闘いを垣間見るシーンもたくさんありました。やはりここでも女の時代サバイバルを実感せずにはいられません。

　コンペティションに参加して、優勝し、タイトルをとってメジャーになり、世界に出て行く。そんな熱い想いがひしひしと伝わって来ました。
　
　私も長年行きつけのネイルサロンがありますが、シャネルのショーで指名される腕前のそのネイリストは、デザインより爪の健康を一番に優先してくれるドクター系。ここは癒しの場として大切にしながら、早速、表参道エレガント系と青山モード系それぞれ旬なネイルサロンを行きつけに増やそうと思いました。それは、手をとって2時間も2人きりで過ごす？女同士の密な時間から、リアルなトレンドが生まれ続けているからです。