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2009年06月05日

時は金なり

女性仕様車

1980年代初め、当時所属していたJJの誌上で「NEW CAR REPORT」という連載企画を作った。自動車評論家の徳大寺有恒氏を先生に迎え、毎月、本格的な「女性のための車選び」をテーマに読者を交えての試乗会をレポートした。

いま聞くとなんの驚きもないかもしれない。
ところが当時は「車」=「若い男性の憧れ」だった。
大手車メーカー各社に、女性誌への試乗車の貸し出しを頼んでも、断られたり、後回しにされたり……。

幸い連載は人気を博し長期にわたってシリーズ化されていく。
と同時にメーカーの対応も丁寧になってきた。

そんなある日、特別限定で女性仕様車を販売する、との情報が入った。
ようやくマーケットが女性を認知してくれたのか。
しかし広報担当者の説明を聞いて愕然とした。
助手席に化粧直し用のミラー、インテリアに花柄、アルミホイールに人気ファッションブランドの巨大なロゴ。

私たちがJJ誌上で表現してきたのは、(1)女性が当たり前のようにハンドルを握るようになったこと(2)ニュートラと呼ばれる新しくかっこいいファッションに似合う車が人気になってきていること、などが中心であった。
しかし、どうもメーカーには上手に伝わらなかったようだ。
案の定、この女性仕様車は消えていった。

男性と比較して、女性は時代に対する意識に敏感である。
時としてその変化は急激で革命的にすら思えるときがある。
男性あるいは男性型の企業が女性の動きに対応しようとしたとき、女性はまたその遥かかなたを歩いている……そんな印象を持つことが多い。

女性は「感じた瞬間に行動する」のである。男性は「感じた後に考える」動物のようだ。その結果「行動しない」を選択することも多い。女性マーケットでビジネスを展開する場合、これは致命傷になりかねない。ぜひ「感じ」て即「決断」してほしいものだ。 

相沢正人

相沢正人

相沢正人あいざわまさと

キラー・コンテンツメーカー

1957年東京都生まれ。 成城大学文芸学部芸術学科卒業後、(株)光文社に入社。「茶髪」「公園デビュー」「シロガネーゼ」など生活する街に根ざした数々のヒット企画をネーミングと共に展開。同時にモデル発掘…

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