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コラム 教育

2009年08月13日

偏差値50は立派と思おう

「うちの子、模試の偏差値が50前後なんです。これじゃあ有名中学は狙えないですよねえ」

 私は中学受験に関する本を出しているので、しばしば、このような質問を受ける。つい先日も職場の同僚から、同じような質問を受けた。
 聞けば、子どもの志望校は、難関とされる大学の附属中だ。物理的には確かに厳しいかもしれない。しかし私は、同僚に、「中学受験がすべてではない。それに偏差値50は立派じゃないか」と返した。

 世の中には、自分が高学歴であればあるほど、子どもにも同じ程度の偏差値を求め、「自分が子どもの頃は50なんて低い偏差値見たことないよ」などと憤慨する父親が大勢いる。 
私からすれば、これは大間違いだと思う。

 首都圏を例にとれば、30万人も小6生がいる中、中学受験をするのは、おおむね上位2割以内にいる子たちだ。その中間に位置していることを示す偏差値50は、全体で見れば、トップクラスの学力があるという証拠なのである。これは関西圏でもほぼ同じで、偏差値50の模試結果を見たら、むしろ「わが子はエライ」と、その将来に大いに期待していいくらいだ。

教育と訳されるエデュケーションという言葉には、本来、「能力を引き出す」という意味がある。それから考えても、伸び悩む偏差値を悲観するより、わが子の優れていそうな部分を見極め、伸ばすことに精を出すべきだ。

 さあ、帰宅したら子どもを見つめ、長所を探してみよう。科目別でも性格でも運動能力でもいい。そうすれば子育てが楽しくなるし、子どもも父親の温かい視線を感じながら成長していくこと請け合いだ。

清水克彦

清水克彦

清水克彦しみずかつひこ

文化放送プロデューサー

文化放送入社後、政治・外信記者を経て米国留学。帰国後、ニュースキャスター、南海放送コメンテーター、報道ワイド番組チーフプロデューサー、解説委員などを務める。大妻女子大学や東京経営短期大学で非常勤講師を…

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