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コラム 教育

2012年02月15日

集中力のない子への対処法(1)

 「うちの子どもは集中力がなくて、机の前に五分も座っていられない」
 こんなふうに嘆く親は多い。

 しかし、私は集中力がまったくない子どもなんて存在せず、好きなことであれば、それを究める楽しさを知っているのが子どもだと考えている。

 ただ、学習する習慣がない子どもに、いきなり「椅子に座りなさい」とか「三〇分は勉強しなさい」といっても無理で、徐々に慣らし、教科書を開くことや問題集のページをめくることが少なくとも嫌ではないレベルにまで持っていくことが、第一のステップになると思う。

 まずは、できるだけ早期に、机の前に座ることに抵抗を感じないよう、習慣づけをするところから始めてみよう。

 では、「どんなふうに習慣づけをすればいいのか」だが、私は基本的に、子どもには勉強を「遊びの延長」、言い換えれば「新たな発見をすることができる楽しい時間」ととらえさせるような仕掛けを作ればいいと考えている。

 いくつか例を挙げてみよう。

・「パパと一緒に五分か十分、一緒にやってみよう」と誘う
・漢字の書き取りであれば、漢字の意味や成り立ちを辞書で一緒に調べてみる
・算数であれば、問題集から一問コピーして切り取り、かわいい箱の中に入れ、それを子どもに取り出させて挑戦させる
・ゲーム感覚を取り入れ、タイムを計ったり、勝敗表をつけたりしてみる

 中でも、「一緒にやろう」と誘うのがポイントだ。学習習慣が身についていない子どもは、黙々と一人で勉強するのに慣れていない。ましてや小学校入学と同時に、学習机と専用のスペースを与えられた子どもの多くは、嬉しい反面、どうしたらいいのかわからないのが現状なので、「パパと一緒にやろう」と誘ってみるのだ。「学校や塾での勉強は楽しいけど家での勉強はつまらない」と思っている子どもなら特に、これで取りかかりやすくなることだろう。そして実際に、パパも子どもと一緒に机の前に座ってみればいい。パパと一緒の漢字練習なら、「新たな発見がある楽しい遊びの一つ」に変わる。
「何かの箱から今日やる問題を取り出す」といった仕掛けも、子どもにとってはワクワクする遊びになる。

 大切なのは、勉強する習慣が身につくまで、子どもに「面白い」とか「楽しい」と感じさせる要素を織り込むことだ。

清水克彦

清水克彦

清水克彦しみずかつひこ

文化放送プロデューサー

文化放送入社後、政治・外信記者を経て米国留学。帰国後、ニュースキャスター、南海放送コメンテーター、報道ワイド番組チーフプロデューサー、解説委員などを務める。大妻女子大学や東京経営短期大学で非常勤講師を…

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